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2017.04.06 07:30

日本長者番付クローズアップ 今年注目の5人を紹介

スタートトゥデイの前澤友作 代表取締役(photographs by Takashi Yoshida / Forbes JAPAN2016年8月号より)

スタートトゥデイの前澤友作 代表取締役(photographs by Takashi Yoshida / Forbes JAPAN2016年8月号より)

フォーブスがまとめた今年の日本長者番付から、上位10位には入らなかったものの、ここ1年で世界の話題を集めたり、資産を大幅に増加させたりした5人を紹介する。
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誇り高きコレクター、前澤友作(14位)

前澤の著名美術品に対する愛は、ここ1年間で存分に示された。2016年11月のクリスティーズのオークションでは、ピカソの「女の半身像(ドラ・マール)」を2260万ドル(約25億円)で落札。同年5月には、ジャンミシェル・バスキアの無題の絵画を、約5700万ドル(約62.4億円)というバスキア作品最高額で落札した。

前澤の保有資産は、ファッション通販サイトZOZOTOWNの運営により1年で36%増加し、30億ドル(約3330億円)に。前澤は、ジェフ・クーンズ、ロイ・リキテンスタインを含む美術品コレクションを一般公開するため、千葉に美術館を設立する予定だ。
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人材派遣の先駆者、篠原欣子(37位)

助産師の娘として生まれた篠原は、東証上場企業テンプホールディングスの株価がここ1年で30%上昇したことから、日本初の「たたき上げ女性ビリオネア(資産10億ドル以上の富豪)」となった。

篠原はオーストラリアで秘書として働いた後、1973年に帰国。東京のワンルームアパートに事務所を構え、女性の社会進出支援を目指し、人材派遣会社テンプスタッフを設立した。[関連:日本で最も成功した女性起業家、篠原欣子の人生

家具のプロ、似鳥昭雄(13位)

家具大手ニトリホールディングスは、東京など都市部の市場拡大に支えられ、2017年2月期の売上高は5129億円、純利益は599億円で、18期連続の増益を達成した。ニトリは国内の競合他社や、日本に9店舗を持つスウェーデン家具大手イケアとの商戦に直面しながらも成長を続けている。

同社の株価上昇により、似鳥の総資産は昨年比9億ドル増の33億ドル(約3660億円)となった。似鳥は2016年に社長を退任し、会長に就任。過去の著作物で、大学時代にスナックの未払い金取り立てのアルバイトをしていたことを明かしている。

現実界の遊戯王、上月景正(34位)

コナミホールディングスの創業者で会長の上月景正は、同社株の急騰により、資産を昨年比42%増の11億8000万ドル(約1310億円)に増やし、2014年以来3年ぶりにビリオネア(保有資産10億ドル以上の富豪)の仲間入りを果たした。

コナミはこのところ、サッカーや野球、トレーディングカード「遊戯王」のモバイルゲームで成功を収めている。遊戯王の漫画が誕生した約20年前、同社は日本の株式市場で最盛期を迎えていた。ジュークボックス修理業を原点に持つ上月は、懐かしの品から利益を生み出す方法を心得ている。

コナミは米国市場向けスロット機器も製造しており、日本のカジノ合法化に商機を見いだしている可能性もある。

牛丼長者、小川賢太郎(39位)

牛丼チェーン「すき家」などを運営するゼンショーホールディングスの創業者で社長の小川は、同社株が1年間で30%上昇したことで、初めてビリオネアの仲間入りを果たした。

小川は港湾労働者として働いた後、1982年にゼンショーを設立。同社は中国、ブラジル、マレーシア、タイ、台湾など9か国・地域にレストランを展開している。

編集=遠藤宗生

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