ビジネス

2017.04.06

エアビーアンドビー、ギグ・エコノミーの拡大で「長期滞在」需要が増加

I AM NIKOM / Shutterstock.com


利用者の側からも、エアビーアンドビーは長期滞在に便利だと考えられているようだ。ネット上にはさまざまな意見が投稿されており、理由の利点として挙げられているのは、事前に保証金の支払いを求められないこと、キャンセルや予定変更に柔軟に対応してもらえることなどだ。

こうしたことから、各国のいずれの都市でも滞在期間は平均して、エアビーアンドビーを利用する場合の方がその他の形態で滞在先を確保した場合よりも長くなっており、ホテルとの比較では2倍以上になる都市もある。

拡大するギグ・エコノミーに相応

カリフォルニア州にある別荘を貸し出しているホストの一人によれば、物件を借りたいという人の約20%が、1か月以上の長期滞在を希望するという。このホストは、エアビーアンドビーは米国でも広がりが見られる「ギグ・エコノミー」の中で、インターネットを通じて単発の仕事を継続的に請け負う人たちにとっての「柔軟な住居」モデルになっていると考える。

エアビーアンドビーは既に認識しているようだが、同社が考慮すべき点は、「旅行者」以外にも幅広くさまざまな人が、同社のサービスを利用しているということだ。そして政府当局は規制を導入する前に、これらのサービスに関する実情を把握する必要がある。

利用者の多くは、気ままに過ごすために部屋を借りる旅行者ではない。「長期」に近い滞在先を求める労働者だ。そうした人たちに、ホテルの利用を求めるのは現実的ではない。エアビーアンドビーが転貸市場での事業拡大を推進すれば、こうしたニーズを持つ人々にとっては物件の確保はさらに容易になるはずだ。

編集=木内涼子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事