ビジネス

2017.04.05

ラーメン界のスタバ「一風堂」がグローバル企業になれた理由

Nishihama / shutterstock.com


福岡からニューヨークへ

カウンター10席の1号店から世界中に70店舗を構える規模となった一風堂は、世界でも指折りのラーメンチェーン店の1つだ。今ではニューヨークやパリ、北京でもその味を味わえるが、海外展開は最初から順風満帆だったわけではない。

一風堂を“ラーメン界のスターバックス”にするために、河原は世界の“中心”に店を構えたいと考えた。2008年に海外進出1号店をオープンした地はニューヨーク。この町を世界のラーメンの中心にしようと河原は計画した。しかし日本では愛されていた一風堂のラーメンは脂っこくて塩辛いと酷評されてしまう。

そこで河原はアメリカでラーメン文化を根付かせるべく、アメリカ人の味覚に合わせたラーメンを作る方向に戦略を変えた。日本の伝統的なラーメンを広めるのは、一風堂のブランドが浸透してからにしようと考えたのだ。

まずはラーメンを短くし、箸に慣れていない人のためにスプーンも用意した。さらにクラムチャウダーラーメンやベジタリアンラーメンなど、より西洋人がなじみやすいメニューも開発した。努力のかいもあり9年目を迎えた今、ニューヨーク店には長蛇の列ができている。

ニューヨークで成功できた大きな要因が、口コミサイトYelpにおいてニューヨークで一番おいしいラーメン店の評価を得たことだと河原は言う。

一風堂はアメリカでニューヨーク以外にも店舗を開設しようとしている。2015年5月にはアメリカ最大の中華料理チェーン店パンダエクスプレスと提携し、カリフォルニア州での店舗開設の準備も進めている。

[訂正]「力の源ホールディングス」の東証マザーズ上場日を3月21日に。カリフォルニアに数店舗を展開しているとしていた部分を「カリフォルニア州での店舗開設の準備も進めている」と訂正いたしました。

編集=上田裕資

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