これは非常に前向きな結果だが、イーロン・マスクが掲げる「2018年に年間生産台数50万台」という目標への道のりはまだかなり遠い。
テスラは今年3月31日までの第1四半期で、2万5418台のモデルSセダンと、モデルXクロスオーバーを生産した。これは、前四半期の生産台数2万5185台をわずかに上回る台数となった。
1台あたりのコストが10万ドル以上に及ぶグローバルでの納車台数は総計で、2万5000台をわずかに上回り、2016年の同四半期と比較すると69%の伸びとなった。当時の納車台数はモデルSが1万3450台で、モデルXが1万1550台だった。4月2日付で発表された今回の数値は、予想値であり最終発表では0.5%の誤差を見込んでいるとテスラは述べている。
テスラは先月、株式と転換社債の発行で12億ドルの資金を調達し、新型車両のモデルSの生産を加速させると述べていた。モデルSは同社初の価格を抑えた量産モデルで、基本価格は3万5000ドルとなっている。
予約金1000ドルを払いモデル3を予約した人々は、既に世界で約40万人に及び、テスラが予定通りこの新型車両を今年の第3四半期に納車開始できるかどうかはアナリストの間でも見方が別れている。また、2018年に年間50万台、2020年までに100万台達成という目標にも疑念は向けられている。
テスラはまた、50億ドルを投じネバダ州にバッテリー工場のギガファクトリーの建設を進めており、そこで量産したリチウムイオン電池を車載用バッテリーと家庭用蓄電池の双方に用い、太陽光発電のソーラーシティで用いるソーラーパネルとの統合を目指している。
マスクはテスラの運営に関し常に野心的なゴールを掲げ、目標達成に向けて努力を重ねてきた。マスクが今後、テスラを高い評価を得たニッチブランドから、大量生産が可能な自動車メーカーに押し上げられるかどうかに注目が注がれている。