レアリー教授は、「保守派・宗教的保守派の人たちに対しては、自身の考え方に対する知的謙虚さが欠けるという固定観念がある」「それを裏付ける証拠は一片も見つけることができなかった」と述べている。
これは、現在の米国の状況をよく表しているといえる。教授は、「政府・政治についてずっと以前から間違っていたことは何なのかを考えてみると、自らの置かれた立場について知的な傲慢さを持った大勢の人が、両党の多くを占めてきたということだ」と指摘する。
3. チームは最後に、知的謙虚さのレベルの違いによって、異なる種類の証拠に対する評価に違いがあるのかを調べた。参加者たちにデンタルフロスの使用に関する科学的な証拠と事例的な証拠に基づく2つの情報を提示した。その結果、知的謙虚さの高い人の方がそうでない人たちよりも、それぞれの情報の質の違いをより的確に見極めることができた。
こうした結果から分かることは、自分の考えは単なる考えであることを理解している人の方が、より多くの分野(人間関係やビジネスなど)において、そうでない人よりもうまくやっていける可能性が高いということだ。
レアリー教授は、「非常に知的謙虚さのレベルが低い上司は、他の人たちの提案に耳を貸さないだろう」「だが、優れたリーダーシップには視野の広さ、可能な限り多くの視点について考慮する姿勢が必要であることが分かっている」と話す。結婚についても、同じようなことが言えるはずだ。
「謙虚さ」は習得できる
この特性は、自分で身に付けることができると考えられている。恐らく学校で教えることもできるだろう。
子どもたちにそうした謙虚さを持たせるためには、自分の考えを疑ってみることの重要性について、何度か伝えるだけでも十分かもしれない。大人たちにとっても恐らく、こうした考えを常に念頭に置いておくことが賢明だ。
教授は、「誰もがもう少し知的な謙虚さを持てば、私たち全てが今よりうまくやっていかれるようになる。互いに対していら立つことも、少なくなるだろう」と述べている。