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2017.04.03

流通総額50兆円 Eコマース帝国「アリババ」を支える4つの柱

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インターネットリテイラー社の調査では世界のEコマース市場規模は2015年時点で、1兆7400億ドル。そのうち26.6%のシェアを誇り1位に君臨するのが中国のアリババだ。2位のアマゾンのシェアは13%。日本の楽天はわずか1.5%にとどまっている。ここでは年間流通総額が50兆円を超えるアリババを中心に、中国のEコマースの現状をリポートする。

1. モバイル第一主義

アクセンチュアのデータでは中国人はスマホから1日平均4.7時間ネットに接続している。
アリババは「モバイルショッピングは、総販売額の80%を占めた」と報告している。「アリババ傘下のタオバオユーザーは1日の20分以上をモバイルでの買い物にあてる。一方、アマゾンのモバイルユーザーは1日に8.9分しかサイトを利用していない」という。企業らは、中国ではモバイルでの購入が中心であることをしっかり認識すべきだ。

2. エンタメ情報を絡めたプラットフォーム構築

中国の主要ECサイトはニュースサイトや動画サイトとともにオンラインの主要ハブを構築している。アリババは動画サイト「Youku(優酷)」を40億ドル(約4500億円)で買収し、同社のECプラットフォームを「ライフスタイルチャンネル」の地位に高めた。その内部で消費者は幅広いニュースや娯楽に触れ、セレブやブランドと交流し、オンラインコミュニティを成長させている。

3. 顧客データの緻密な分析

アリババはアマゾンとは違い、出店業者に顧客と直接やり取りすることを認めている。また顧客データへのアクセスや、アリババのソフトウェア、ツールを使った分析を提供している。5億人近いモバイルユーザーを持つアリババは顧客の購買習慣、決済と信用履歴、検索の傾向、SNSの情報や関心事項を把握。顧客の行動から情報を引き出し、消費者ニーズを分析する能力は、マーケティングの効果を大きく高め、顧客との強い関係構築に役立っている。

4. 変化に対応する思考

中国ではトレンドはすぐに変わる。企業らは最新トレンドに迅速に対応することが必要だ。2016年に中国ではライブストリーム動画が突然大人気になった。有名ブランドも独自のライブストリームイベントを作り、セレブや人気ブロガーを起用した。企業が仮にトレンドの把握に半年の時間をかけていたら、その企業は生き残ることが出来ない。

編集=上田裕資

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