いずれも素晴らしい大学だが、このどれかに進学したからといって成功した人生や輝かしいキャリアは保証されない。プリンストン・レビューのロブ・フラネク編集長は「世間の評判やブランド価値が、高校生と保護者の思考プロセスに重くのしかかっている」と語る。
他にも進学希望者に重くのしかかるものがある──学生ローンだ。フラネクによると、大学入学に際して進学希望者と保護者が抱く不安は近年増加しており、その中でも一番の懸念材料は授業料だ。「大学の費用は過去20年間、インフレ率の2〜3倍の割合で毎年上がり続けている」という。
調査では、回答者の85%が大学の費用として5万ドル(約560万円)以上を想定し、そのうち43%が10万ドル(約1100万円)以上を想定していた。現在、学生の75~80%が何らかの経済的支援を受けている。
こうしたローンに対する不安から、進学希望者と保護者は大学側に「投資収益率」を聞くようになった。「こうした会話は、5年前ならほぼあり得なかった。私が進学先を選んでいた20年前では考えられないことだ。当時、投資がどれほど回収できるのかなど尋ねる人はいなかった」とフラネクは言う。
大学は回答として、就職支援ネットワークや、大学院進学率、就職率といったデータを提供している。とはいえ、在学中の課外活動やインターンシップなど、履歴書を魅力的に肉付けする努力は概ね学生側に任されているのが現状だ。