こうした現実を示した新たな調査結果が、独調査会社スタティスタ(Statista)により発表された。同社によると、多くの国の消費者がどこよりもドイツの商品開発・生産の確かな能力を認めているのだという。
同社は、独市場調査会社ダリア・リサーチ(Dalia Research)の協力の下、52か国の4万3千人超を対象に調査を実施し、商品に対する尊敬度(つまり「〇〇製」と言われたときの印象の良さ)を基準に49か国を格付けした。
総合1位に選ばれたのはドイツ製品で、調査実施国ごとのランキングでは13か国で首位に立った。スタティスタの市場調査部長、ニコラス・ルーゼは「ドイツにはフォルクスワーゲンやルフトハンザ航空など、非常に強く、品質志向のブランドがあり、こうした象徴的なブランドがドイツの高い評価につながっている」と分析している。
不思議な結果となったのが中国だ。中国製品のイメージは総合ランキングで最下位の49位だったが、中国本土では1位、一方の香港では最下位だった。ただ、中国製品の良い面として、価格に見合う十分な価値があると受け止められていることも分かった。
「中国は今回の調査で驚きの結果を見せた国の一つ。国内では不動の地位を築き、世界ではそのお値打ち感で先導する。それでもメード・イン・チャイナの全体的な評価は非常に低い」とルーゼは述べている。
ルーゼによると、スタティスタの調査目的は、各国民が外国製商品についてどう感じているかを明らかにすることだ。「米国でトランプ大統領が誕生し、欧州が政情不安に見舞われる今、これは本当に興味深い話題だ。国際貿易や各国のイメージを調査する格好の機会となった」とルーゼは語っている。
統計データの示す意味を正確に特定することが難しい場合もあり、調査結果に対する考察はあくまで推測の域を出ないという。しかし回答者から得た各国の評価の背景には、データから説明可能なものも一部ある。ルーゼは次のように説明している。