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2017.03.30 10:00

米スターバックスがフードを強化へ、4年で2倍の収益を目指す

年次総会にて新ランチメニューを発表したハワード・シュルツCEO(Photo by Stephen Brashear/Getty Images)

スターバックスは3月22日の年次株主総会で、4月から新メニューを試験的に導入することを発表した。ランチメニューとして地中海風のサラダやサンドイッチを提供する予定だ。

これらの新メニューは、チポトレやダンキンドーナツのようなチェーン店が独占している「ファストカジュアル」(ファミリーレストランとファストフードの中間業態)や、クイックサービス市場に参入するための試みだ。

現在、スターバックスの収益の200億ドル(約2.2兆円)のうち、フードが占める割合は約20%。同社は2016年12月、朝食とランチのメニューを重点的に改善することで、フードの占める割合を今後4年で倍にすると語っていた。一方で、高級ロースタリーを除き、ワインやビールを提供する「イブニングス」は終了となる。

メルカート(イタリア語で“マーケット“)と呼ばれる新たなランチメニューは、シカゴ中心部の100店舗で提供が開始される。また朝食メニューにグルテンフリーの商品を増やす試みもシアトルから実施されるという。

今回メルカートのメニュー開発を行うチームは、グローバル製品イノベーション担当のシニアバイスプレジデント、ルイギ・ボニーニが率いている。彼が過去に手掛けたプロジェクトには、チェストナット・プラリネラテ、トーステッド・グラハムラテ、スモアズ・フラペチーノやスターバックス・ビストロボックスなどがある。

新メニューで注目すべきは「お食事サラダ」だ。中東のスパイスを効かせたザーターチキン、シアードステーキとマンゴーや、ターキーとコーンなどのバリエーションがある。サンドイッチは、ライ麦パンにアーモンドバターといちごを挟んだものや、フランスパンにハーブチキンとイチジクのスプレッドを挟んだもの、トーストしたキューバ風サンドイッチなどが登場する。

価格はサンドイッチが5~8ドル(約566~890円)、お食事サラダが8~9ドル(約890~1000円)。カリフラワーのタブーレのようなサイドサラダは4.75~5.75ドル(約530~640円)だ。

フード類はシカゴのセントラルキッチンで毎日製造される。営業終了時点で売れ残ったものは、フードバンクに寄付される。

スターバックスでは2016年、ミラノにある高級ベーカリーのプリンチ(Princi)と提携し、ロースタリーで焼きたてパンを提供する旨も発表している。

第25回目となった今回の年次株主総会は、創業当時から同社を率いてきたハワード・シュルツCEOにとって最後の会だった。25年前の新規株式公開時に1000ドル(約11万1300円)でスターバックスに投資をしていたとしたら、今では18万ドル(約2004万円)の価値となる。

また、米フォーチュン誌によれば、スターバックスは「最も尊敬されるアメリカ企業」のランキングで、アップルとアマゾンに続き3位にランクインしている。

シュルツは退任後、世界各地で新たな高級ロースタリーのコンセプトを広めるなどのプロジェクトに専念する予定だと語っている。だが彼には、民主党から「政界でもっと活躍して欲しい」という誘いも多いという。

編集=森 美歩

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