ビジネス

2017.03.27 12:30

自動車テクノロジーの最先端を疾走する、ベルリンの起業家が描く未来


「グーグルやフェイスブックのようなスタイルは、巨大なテクノロジー市場と潤沢な資金を持つベンチャー投資会社があるシリコンバレーだからこそ可能な話。ドイツ人の起業家として、自分は自動車メーカーのエコシステムの周辺で事業を行うのが自然な流れだった」

数年間でサービス地域を40カ国以上に拡大したAUPEO!は現在、北米パナソニックの傘下に引き継がれ、同社の車載システム事業の一翼を担っている。

「かつて、スマートフォンの登場でフィーチャーフォン関連のビジネスが一気に崩壊したような事態が、自動車業界にも訪れるかもしれない。アマゾンやアリババが車を作るかもしれないし、BMWよりもアップルやサムスンがブランド力をもつかもしれない。大手自動車メーカーは川下に押しやられる恐怖を感じている」 

ウェイスが新たに設立した企業、German Autolabsは16年11月、200万ユーロの資金を調達。モビリティ分野の新たなイノベーションを加速する。

「本格的な自動運転の時代がもうそこまで来ている。それまでの間に必要なのは、人間のドライバーがデジタル機器を安全に活用しつつ、より便利に運転を行なえる環境を整備すること。洗練されたAI(人工知能)や音声認識、ジェスチャー操作でそれを可能にする支援プロダクトを発表していきたい」 

社員数は現在20名。古巣のHEREでプロダクト責任者を務めたパトリック・ウェイサートも共同創業者に加わった。新旧のテクノロジーの狭間を少数精鋭で走り抜ける。ウェイスのチャレンジはまだまだ続いていく。

文=上田裕資 写真=パトリック・モラレスク

この記事は 「Forbes JAPAN No.32 2017年3月号(2017/01/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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