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2017.03.27

商品・店舗・サービスに変化 米スーパー業界の4大トレンド

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海外スーパーの影響

現在アメリカ進出に向けて準備をしているドイツのディスカウントスーパー、リドル(Lidl)は、上陸前から既に米食料品小売業に変化を起こしている。

リドルの競合には、同じくドイツのアルディがあり、ともにかなりの値引きを行っている。両社は欧州で激しい競争を展開しており、アメリカでも同様に競争が激化しそうだ(アルディは米国進出済み)。しかし両社の魅力は、値引きだけにとどまらない。リドルもアルディもプライベートブランドをメインに展開し、独特なインストア体験を提供する努力をしている。

リドルのアメリカでの店舗計画は、アルディに変革を余儀なくさせている。アルディは16億ドル(約1787億円)を投じて米国内1300店を改装し、生鮮食品やオーガニック食品の取り扱いを増強。新たなロゴも採用する計画だ。

従来のアメリカ小売各社もその影響を受け、店舗の改装や品揃えの改良、競争的な価格設定、新鮮な食材の提供などに力を入れている。

さらに進む統合の動き

こうした各食料品店各社の取り組みにより、そのほかの独立系、あるいは地域密着型の小売業者間での統合はさらに進むだろう。ユーロモニターによれば、米国内の食料品店のうち独立系の店舗はわずか36.9%。「これらの店舗は破たんするか買収されるだろう。このスケールの競争には太刀打ちできない」とグラントは言う。

このように業界に起きている全てのことが、消費者に大きな変化をもたらす。中にはお気に入りのスーパーマーケットを失う人もいるだろう。一方で多くの人は、行きつけのスーパーで新たな販売コーナーやサービス、商品を求められるようになり、購入した商品を自宅配送してくれる新たなテクノロジーを利用する人も多いだろう。

一連の改革がどのような変化につながるのかは未知数だが、一つ確かなことがある。食料品店はこれから、どんどん面白くなるだろうということだ。

編集=森 美歩

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