社内恋愛はやっぱり危険? マッチメイキングのプロに聞く秘訣と対策

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恋愛とは、素晴らしくもあると同時に、時にとんでもないストレスを生むもの。舞台が複雑な人間関係が渦巻く職場となれば、なおさらだ。

同僚とのロマンスは仕事の人間関係にどう影響するのか。相手が上司だったら? 自分が上司だったら? 関係がうまくいかなかったらどうなる?

こうした疑問に答えるべく、ニューヨークでマッチメイキング(交際相手紹介)業を営むリサ・クランピットに職場恋愛について質問をぶつけた。

「(職場恋愛の)最大の問題は、両者とも今の仕事が好きで離職を望まない場合、誰の得にもならない状況に陥ってしまうこと。同じケースを幾度となく見てきました。相手の行動を逐一監視して『あの人と話していたけど、一体何をしていたの?』と問い詰めるようになるか、あるいは関係が続かず、別れた相手を避けて曲がり角に隠れる羽目に陥るかのどちらかになるから」とクランピットは話す。

では解決策は? 極端だが、うまくいかなかったときには、どちらかが仕事を辞めることで合意しておくというのも一つの手だと、クランビットは言う。クライアントの中には、同僚と3年間破局と復縁を繰り返した末、円満とは言えない結末を迎えた人もいるという。

「気持ちが盛り上がり、うまくいっていると思ったら突然別れることになり、彼は『元カノがどこにいるのか分からない。見当たらない』と言ったり『電子レンジの前で出くわしたが、気まずくて何を話せばいいか分からなかった』と話したりという具合でした」

このカップルはたとえ一度別れたとしても一方が未練を持っていて、職場で毎日顔を合わせるので、次に進むのが難しい状況だった。だが「ついに女性の方が乗り越えて、他の男性と結婚した」という。関係に終止符を打つときにはすっぱり切って、いつまでもズルズルと引きずらないことが教訓だろう。

では、役職の上下関係がある2人が交際する場合はどうだろう? 関係が終わると、地位が高い側が低い側を退職に追い込む恐れがある。一方で、交際が周囲にばれたときに苦境に立たされるのは役職が上の側だ。

「役職が低い方の状況がだんだんと悪化してきます。全てが危険にさらされていると感じ、ある特定のことをしないと捨てられる、解雇される、恥をかかされるのではとおびえてしまう。非常につらい状況ではありますが、よくあることです」

社内恋愛を誰かに打ち明けるかどうかを決めるときは、会社の方針を考慮すべきだ。「多くの場合は社内恋愛が方針として禁止されています。その場合、厄介な問題になるので、普通は誰にも言いませんよね」とクランピット。

たとえ社内恋愛に寛容な方針であっても、秘密にしておくのが無難かもしれない。「常に批評の目をむけられてつらい立場に置かれないよう、自分たちの間にとどめておくのが重要です」

もし職場恋愛が破綻したら、残る道はただ一つ、正直に腹を割って今後どうすれば互いが居心地よく過ごせるかを話し合うことだという。「腰を据えて話し合い、『うまくいかなかったから別れることにしたが、どちらも仕事を辞めたくないのだから、どうすればこれができるか考えよう』と言うのです」

職場恋愛はなんとも落とし穴ばかりで悲惨だ。クランピットいわく、「恋人を見つける場所として、職場は最終手段として考えるべき」とのことだ。

編集=遠藤宗生

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