ビジネス

2017.03.23

ネットフリックス、モバイル専用「高画質動画」を提供開始

dennizn / Shutterstock.com

ネットフリックスはモバイルでコンテンツを視聴するユーザーに向け、従来よりも高画質な動画を提供する動きを開始した。

先日、サンフランシスコで行われたメディアとの会見でネットフリックスのプロダクト部門のNeil Huntは、モバイル向けにHDR動画を提供することを明らかにした。HDR動画は従来よりもダイナミックレンジが広い色彩が表現可能で、コントラストの強い映像が楽しめる。

ネットフリックスは3月から放映中のオリジナルドラマシリーズ「アイアン・フィスト」を、同社としては初めてHDR画質で撮り下ろした。Huntは今回のHDR対応で、モバイルの小さなスクリーンでも、より高画質で没入感の高いコンテンツ視聴が可能になる点を強調した。

ネットフリックスは今後、既存のデスクトップ向け動画に変更を加えると同時に、モバイル視聴に特化したバージョンの動画を配信する動きを進めていく。一例を挙げると、ワイド画面向けに撮影された横長の動画は、モバイル視聴向けに幅を縮め、モバイルのスクリーンでも迫力ある映像が楽しめるように加工する。

ネットフリックスはこれまでプラットフォームごとに異なるフォーマットの動画を提供してこなかったが、今後数年でこの動きを進めていくという。Huntは記者らに対し「モバイル向けにオリジナル版とは違うコンテンツを提供するのは自然な流れだ」と述べた。

グローバル展開を加速するネットフリックスでは、モバイルの視聴者が急増している。米国やカナダ等の先進諸国ではコンテンツの視聴はテレビが中心だが、多くのアジア諸国、特にインドではモバイルからの視聴が多数派だという。

ネットフリックスの会員数は世界9300万人を突破し、190ヶ国以上でサービスを提供中だ。外出先で動画を楽しみたいユーザーにとっては、今回のニュースは嬉しい報せと言えそうだ。

編集=上田裕資

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