トップ10に入った女性たちのうち、ラインハートは死去した父親が経営していたロイヒル・ホールディングスを受け継ぎ、積極的に事業を拡大。リストに名前が挙がった女性たちの中で唯一、自力で大幅に富を増大させた(昨年の全体ランキングは127位)。保有資産は昨年から62億ドル増えて150億ドルに増え、順位はオーストラリア国内で1位、世界で69位となった。8位のジョンソンもまた、自力で資産を増やしている。
「自力でビリオネア」の女性が増加
女性富豪のランキングで17位に入った香港の周群飛(Zhou Qunfei)は、自力でビリオネアになった女性の保有資産ランキングでは1位だ。保有資産は74億ドルで、世界長者番付では186位に入る。
中国の貧しい農村で生まれ育った周は、子どものころに母親を亡くし、仕事中の事故で障害を負った父親に育てられた。働くために16歳で学校を中退、時計の文字盤を覆うガラス部分の風防を製造する工場で毎日16〜18時間働いたといわれている。2000年代初頭に起業し、スマートフォンのタッチスクリーンを製造するようになった周がビリオネアの仲間入りを果たしたのは、自社を中国・深セン証券取引所に上場させた2015年だった。
世界長者番付に入る女性の割合は前回からほとんど変わっていないが、自力で財をなし、その結果としてビリオネアになった女性の数は増加している。10年前には1%に過ぎなかったものの、今年は2.7%と3倍近くになった。女性のビリオネアの25%が、自力で億万長者になったことになる(昨年は21%)。
今回の長者番付では、自力でビリオネアになった女性56人のうち、15人が初のリスト入りだった。その中には、いずれも出身国で初めて「自力で」ビリオネアになったベトナムのベトジェットエア創業者でCEO、グエン・ティ・フォン・タオ(保有資産12億ドル)、日本の人材派遣会社テンプスタッフの創業者、篠原欣子名誉会長(同11億ドル)などが含まれる。