CEO交代人事は、17日の株主総会で承認された。8年間にわたりCEOを務めた金相憲(キム・サンホン)は顧問職に就く。
ネイバーは既に、男女間の賃金格差や女性役員の割合といった観点から韓国で最も女性が活躍しやすい企業とされていたが、ハンのCEO就任によって「ガラスの天井」が打ち砕かれた形だ。
ハンのCEO就任は、韓国IT業界の女性にとって新たな基準となる。韓国スタートアップ・エコシステム・フォーラム(KSEF)の報告書によると、ITスタートアップ企業の創業者における女性の割合はシリコンバレーで24%、シンガポールで19%だが、韓国では10%に満たない。韓国企業全体での女性CEOの割合も、わずか2.6%だ。
だがハンの昇格には、それ以上の意義がある。時価総額で韓国第6位の企業であるネイバーは現在、世代交代の最中にあり、新CEO人事は同社で起きている一連の変革の一つにすぎない。
17日には同時に、ネイバー創業者の李海珍(イ・ヘジン)会長が、欧州・北米での市場開拓に注力するため、取締役会議長を退任した。韓国最大のウェブポータルを運営し、アジア地域で人気のLINEやSNOWといったアプリを傘下に置く同社は28日、新たな事業方針を発表する予定だ。
ハンは昨年10月にCEO就任が発表されて以降、AI(人工知能)や自動運転といった先進技術分野への進出を積極的に狙うネイバーの姿勢を強調してきた。同社は関連研究開発費として、向こう5年間で5000億ウォン(約505億円)の投資を発表している。
ハンはCEO昇格後にこう語っている。「一回の成功が長く続かないことは、IT業界の誰もが知っている」「業界がかつてない速さで進化していく中、ネイバーは骨身を惜しまず絶えず変化することで、新たな機会を見いだしていく」