韓国IT大手で初、ネイバーに女性CEO 「仕事と結婚」の元記者

ネイバーCEO ハン・ソンスク (photograph by NAVER)


成功したのは「独身だから」

IT記者を経て検索エンジン会社エンパス(Empas)を共同創業したハンは、2007年にネイバーに入社。以来、動画のライブ配信、デジタルコミック、小説、テレビ、ショッピング、ブログなどを含むコンテンツ事業の方向性に大きな影響を与えてきた。

昨年行われた女性誌コスモポリタン韓国版のインタビューでは、自分は記者出身のため、人々が何をしているのか、週末に何を観たり読んだりしたいと思っているのかについて、大きな関心があると語っている。

今の立場に上り詰められたのは、仕事中毒だからだという。独身で子供がいないハンは、「仕事と結婚した」とも言われる。

コスモポリタン誌に、なぜ27年間にもわたりイノベーションを続けられるのかと聞かれると、ハンは冗談交じりにこう答えた。「そうですね、独身だからでしょうか? 仕事以外にすることがないのが重要みたいです」

ハンは、IT業界には今、女性の力が必要だと語る。というのも、問題に対するアプローチの仕方やユーザーとしての動向には男女間で違いがあり、企業には幅広い理解が求められているからだ。

他方でハンは、人々は自分の強みに特化するべきであり、男女間の差を短絡的に差別とみなす考えに警鐘を鳴らしている。

とはいえ、IT業界で活躍する女性が今後増えることを期待しているというハン。インタビューではこう語っている。

「これまで、結婚や育児によってキャリアが阻まれた女性人材が、あまりにも多かった。こうした構造の中では、女性が職場で自分にふさわしい立場を得るのは難しい。優秀な女性がこの業界でキャリアを追求し続けることを、心から願います」

編集=遠藤宗生

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