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2017.03.21

ヨガは「運動として」も効果的 複数研究で明らかに

(Photo by Joe Raedle/Getty Images)

ヨガはエクササイズとして考案されたものではないが、身体に多くのプラスの効果をもたらすようだ。過去の複数の研究でも、筋肉の増強や骨の強化、柔軟性の向上など、ヨガの身体的効果について検証が行われている。心臓への良い影響については、エアロビクスに匹敵するという証拠さえある。

そして医療の専門誌コンプリメンタリー・セラピーズ・イン・メディシンに発表された2つの新たな研究報告によれば、ヨガは実際にカロリー消費になるという。通常よりもスピーディに行えば、だが。また、ポーズを変えるのとポーズを維持するのとでは、カロリー消費量も違うことが分かった。

2つの研究のうち片方は、マイアミ大学の研究チームが行った。研究の参加者に8分間、通常のスピードまたはそれよりも速いスピードで複数のポーズを続けて繰り返し行う「太陽礼拝」をさせ、酸素消費量と二酸化炭素の排出量、消費カロリーを測定した。すると、より速いスピードで一連の動きを行った人の方の消費カロリーの方が、通常スピードで行った人よりもずっと多かった。

もう片方の研究でも、参加者に「太陽礼拝」を行ってもらい、その間の筋肉の電気活性を測定し、筋肉がどれだけ活性化されているかを測定した。研究者たちが注目したのは、ポーズを維持しているときと、一つのポーズから別のポーズに動きを変えているときのどちらで、筋肉がより活発に動いているかという点だ。こちらも通常スピードと、それよりも速いスピードの両方を対象に研究を行った。

その結果、より速い動きのときに筋肉がより活性化されることが判明。同時に、同じポーズを維持しているときよりも別のポーズに切り替えるときに、筋活動量が増えることが分かった。

別の研究では、ヨガが心臓血管や代謝マーカーなど、そのほかの測定値にも大きな影響をもたらすことが示されている。例えばある研究では、ヨガがコレステロール値やトリグリセリド、血圧、体重や心拍など多くの代謝変数を改善する上で、エアロビクスとほぼ同じ効果があると報告している。慢性腰痛など、身体構造との関わりがある問題の改善に役立つという研究報告もある。

少なくともヨガが精神面に効果的であることについては、多くの裏付けがある。先日発表された別の研究では、うつ病の人が12週間にわたって呼吸法を含む90分間のヨガのクラスを週に2回、または3回受けたところ、症状が大幅に改善されるという結果が示された。週3回クラスを受けたグループは、週2回のグループよりもさらに症状が改善された。

身体については、上記2件の研究で示されたように、速いペースで行えば運動になり、カロリーも消費される。だが、当然ながら身体的的な側面に意識を集中させれば、本来大きいはずの精神面への効果が薄れる可能性がある。

その他の多くのこともそうではあるが、特にヨガでは適正なバランスを取ることが重要だ。

編集=森 美歩

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