上海発の自動車スタートアップ「NIO」 自動運転EV車を米国で発表

自動運転車「Eve」のコンセプトモデル (image : NIO)


昨年は「世界最速の電気自動車」も発表


Warriorによると、NIOは設計だけを行い、製造は契約工場に委託する予定だが、将来的には自前の組み立て工場を建設するという。同社は、Eveを米国でリリースする前に、来年中国市場で別のモデルを販売する予定だ。NIOは昨年、サンノゼに大規模なソフトウェアの開発拠点を設け、AI技術者の雇用を進めている。

SXSWで発表された5人乗りのコンセプトモデルは、ピラーレスのスライドドアでスムーズに乗り降りが可能。AIアシスタントの「NOMI」も搭載されている。ハンドルとペダルは格納式で、人間のドライバーが運転することも可能だ。

NIOは昨年11月、ロンドンで行われたイベントでEVスーパーカー「EP9」を発表した。同社によると、EP9は世界最速の電気自動車であると同時に、世界最速の自動運転車でもあり、価格は120万ドル(約1億3800万円)となっている。

NIOはEveの開発において「モービルアイ(Mobileye)」と「エヌビディア(Nvidia)」と提携していることは公表しているが、詳細な機能については開示していない。Warriorは、スタートアップが自動車業界に参入する難しさについて次の様に述べている。

「我々の置かれた状況は、アップルとグーグルがスマートフォン事業に参入したときの状況と似ている。当時は、80年近い歴史を持つモトローラとノキアが業界のリーダーで、シリコンバレーの新興企業が携帯電話など作れるのかと誰もが不審がった。しかし、アップルはiPhoneという全く新しいコンセプトのデバイスを開発して業界を変革することに成功した」

WarriorとLiも、アップルが成し遂げたような変革を自動車業界にもたらしたいと考えているが、それは容易なことではないだろう。

編集=上田裕資

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