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2017.03.15

Z世代は「実店舗を好む」、ミレニアルよりベビーブーマー寄りの傾向も

Sonpichit Salangsing / Shutterstock.com

スマートフォンの時代に育った米国のZ世代の消費者は、実店舗での買い物を好むという。調査会社ユークリッド・アナリティクスの調査によると、この世代の66%が、店舗で実際に商品に触れ、試してから商品を購入したいと考えている。

3月8日に発表された調査結果によれば、この世代の買い物のカギを握るのは、「デジタル・タッチポイント(企業やブランドと顧客の接点、ソーシャルメディアなど)」。この点については、驚くまでもないことだろう。ただ、この世代は他のどの世代に比べても、「買い物中に直接、店員たちと関わりたい」と考える人が多い。

デジタル時代に育った「スクリーンエイジャーズ(Screenagers)」のZ世代のうち、スナップを送信するだけでなく、店員に直接、商品について話を聞くと回答したのは28%。全世代でみた場合、店員と話したいと答えた人は21%だった。

買い物は「経験」、価格は「気にしない」

購買力がおよそ440億ドル(約5兆円)とされるZ世代には、買い物にソーシャルメディア・プラットフォームを利用する傾向が顕著だ。45%近くが小売店の店内でも、スナップチャットを使っている。ミレニアル世代では、その割合は16%だ。

Z世代では、店舗での買い物中にテキストメッセージのやりとりをするという人も50%に上る。この世代にとって買い物は、「友人や家族と共有したい経験」だ。そして、それを示すのが、買い物中のスナップチャットの利用頻度の高さだ。

また、Z世代の消費者はその他の世代に比べ、商品の価格を気にしない傾向があるようだ。店舗での買い物中に、商品の価格を比較するためにスマホを使うという人は43%。ただ、これは年齢の若さとそれによる無邪気さが理由とも考えられる。ミレニアル世代は49%、ベビーブーマー世代は51%が、値段を比較しながら買い物をしている。

一方、買い物についてはZ世代とベビーブーマー世代の間にかなりの類似点がみられた。Z世代には、購入前に探している商品についてオンラインで調べるのが一般的だ。そして、ベビーブーマー世代もまた、85%が同様の行動を習慣にしている。

さらに、これら二つの世代の買い物の習慣に関する類似点として挙げられるのは、購入に関する決定の際の「思い切りの良さ」だという。Z世代とベビーブーマー世代は、購入の意思がなくても何となく店舗を見て回る人が47%で、他の世代に比べて最も低い割合になっている。

ただ、Z世代は行った店に欲しいものがなかった時にストレスを感じる人が31%で、他の世代に比べて最も多い(全世代では22%)。この傾向もまた、若さとそれによる性急さが原因と考えられるかもしれない。だが、ブランドが消費者に対する約束を必ず守ることの重要性は、テクノロジーによってますます高められているといえる。

Z世代は年上の世代に比べ、ブランドに対する期待も高いことが分かっている。小売業界はこの非常に「目の利く」新たな顧客層のために、現代のオンデマンド経済において「的確かつ効率的に提供」するための努力を続けていくことになるだろう。

編集 = 木内涼子

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