制度変更で離職率が低下、米企業で進む「勤務評価システム」改革

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各社の人事担当者たちは、長年実践されてきた評価方法に疑問を抱き始めている。例えば名経営者として知られたジャック・ウェルチ(GEの元CEO)が導入して有名になった「スタック・ランキング制度」――全ての従業員を業績に基づいてランク分けする制度――は、廃止する企業が増えている。

アドビの人事担当責任者ドナ・モリスは、時代が変わったのだと言う。「労働者たちは、ほかの人のパフォーマンスにはさほど興味がない。自分のパフォーマンスを知りたいのだ」と彼女は言う。

とはいえ、スタック・ランキング制度を廃止したからといって、成績の悪い従業員に対するアドビの姿勢が甘くなったわけではない。同社は2012年以前よりも頻繁に、成績の悪い従業員を解雇している。これはマネージャーたちが、勤務評価についての厳しい議論を後回しにする傾向が減ったからだ。

では、ウェルチはスタック・ランキング制度の廃止傾向についてどう思っているのだろうか? 彼は今でも、この制度は効果があると考えている。だがより大きな目標は、率直で公平なフィードバックを行うことだ。彼は言う。「マネージャーの仕事は、従業員に対して彼らがどの位置にいるのかを認識させることだ。別の方法でそれができるならば、それで構わない」

編集=森美歩

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