ただ、大統領に向けたメッセージ発信の場は、コマーシャルだけにとどまらない。「モーニング・ジョー」にはこれまで、トランプの関心を引こうとする政治家たちが出演してきた。
民主党のイライジャ・カミングス下院議員は1月の出演の際、大統領に向け、高額な処方薬の価格引き下げに協力してほしいと要請。その後の報道によると、これを観ていたトランプから連絡があり、両者は先週ついに会談した。
番組にとって、トランプという強力な視聴者の存在は金蔵だ。昨年の大統領選以降、同番組の視聴者数は倍増したと伝えられている。MSNBC関係筋によると、視聴者と広告主の関心の増加を受け、広告料も上昇。これは、同局だけでなく他のニュース専門ケーブルテレビ局の一部番組にみられる傾向だという。
だが「モーニング・ジョー」のキャスターを務めるスカボローとミカ・ブルゼジンスキーの2人は、たとえトランプが観ているからといって、語気をやわらげたりはしないと宣言している。
同番組はかつてトランプに甘いと批判されていたが、ブルゼジンスキーは先週、「この政権は、まやかしで失敗だ」と断言し、路線変更を明示。また過去には、発言が「信用できない」として、ケリーアン・コンウェー大統領顧問の出演を禁止している。
スカボローは、同番組とトランプの関係が「少し揺らいでいる」と認めているが、それは確かなようだ。
両キャスターの批判的姿勢が気に食わなかったのか、トランプは最近になってツイッター上で2人のフォローをやめた。やはりこの番組をチェックしていたということなのだろう。