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「第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント」の第一人者。

Photo by Richard Atrero de Guzman/Anadolu Agency/Getty Images

学校法人「森友学園」が小学校設置の認可申請を取り下げた。これで土地売買契約の前提がくずれ、森友学園は違約金として売買代金の10パーセント、1340万円の支払い義務が生じる。その上で財務省は土地を買い戻す方針だ。しかし、実際に問題として買い戻しのハードルは高い。それはなぜか。

まず、買い戻しにあたっては「原状回復」が原則だ。つまり森友学園側は、建物を取り壊し更地にして返すということ。建物の解体には安くて8000万、高くて1億円程度かかるものとみられるが、それをはたして森友学園が捻出できるのか。また籠池理事長は記者会見において、あの建物を残したいという意向を表明しており、自ら積極的に取り壊すとは考えにくい。

森友学園と国の間で結ばれた土地売買契約書の但し書きでは、原状回復で買い戻しの原則について、国が適当でないと判断した場合、そのまま引き取ることも可能だとしている。建物も含め、まるごと国のものにするということだ。

しかしこれも、後のことを考えると難しいだろう。あの建物を引き取ったあとに、はたして第三者に売却ができるだろうか。ゴミを埋め戻したとされ、これだけ騒がれた“いわくつき”である。そもそも価格算定も非常に難しい。

国が建物ごと引き取ったあと、建物を解体する手もあるが、それも難しい。なぜなら国は解体の後、再度あの土地を売り出すために、ゴミ撤去費用をあらためて算出する必要に迫られるからだ。そうなるとゴミ撤去に8億2000万円かかるとされた見積もりの信ぴょう性を問われることになる。こうした藪蛇になるようなことは、国にはできないのではないか。

契約書によれば、国は土地の買い戻しに代えて、特別違約金請求をできることになっている。違約金額については細々と規定がなされているが、ざっくり時価の30パーセントとされる。時価の判定にはあらゆる可能性が考えられるが、仮に売買代金同額とすれば4020万円。先の違約金と合わせて5360万円を支払えばあの土地は、学校の認可がなくても森友学園のものになる。

ところが森友学園は、売買代金1億3400万円のうち、まだ約2800万円しか払っていない。ということは残金約1億600万円も違約金等と同時に収める必要が生じる。そうなるとトータルで1億8760万円。これを森友側が即座に捻出できる可能性は低いものとみられる。ではこの後はたしてどうなりそうか──。

国は売買価格の残金や違約金等を回収するためにあの土地建物を差し押さえ、森友学園は不動産を含む財産の処分を禁止される。管轄は大阪地方裁判所だ。そして、やがては競売にかかり第三者が入札、売れた金額から国が優先的に債権を回収というシナリオが有力だ。もっとも、このプロセスで森友学園が訴訟を起こすなどの場合にはスムーズに事は運ばず、この限りではない。

いずれにせよ、どの段階においても問題になるのは、ゴミの撤去費用8億2000万円の妥当性であり、ここに疑義が生じれば、国は今回なぜ自ら撤去費を算出したのかという異例的行為を行ったのかに焦点が当たる。

蛇足だが森友学園は、違約金・特別違約金・売買残金を準備できれば、学園として利用する旨の縛りから解放され、あの土地建物の転売も可能だし、商才があればホテルなどへの事業転換も可能だ。

文=長嶋 修

 

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