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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

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居間で空想のドラゴンを操ったり(写真左)、惑星など複雑なイメージを他人とシェアしたり(写真右)など、同社のMRテクノロジーは、ゲームやビジネス、教育、スポーツなどさまざまな分野で活用が見込まれている。


だがマジック・リープはようやく最近、その全容を明かし始めた。めったに取材を受けないアボヴィッツは、本誌とのインタビューで次のことを明らかにした。

─消費者向け製品の発売に先立って、10億ドルを投じて試作品を完成させ、フロリダ州で製造工場の建設を開始した、と。

実際に製品が発売されれば(発売は今後18カ月の間という見方が有力だ)、新時代のコンピューティングの先駆けとなるだろう。

同社が開発したのは、単なる新型のディスプレイではない。それは“破壊的なマシン”と言ってもいい。1,200億ドル規模のフラットパネル・ディスプレイ市場は崩壊し、1兆ドル規模の世界の家電業界も構造変革を余儀なくされる。パソコンやノートパソコン、携帯電話だって不要になるかもしれない。コンピュータは“眼鏡”型のデバイスに搭載され、視界のどこにでも好きなサイズの画面を表示することができるようになるのだから。

「僕らの製品が登場しても激変しない分野を挙げるのは難しいな」とアボヴィッツは自信たっぷりに話す。

身の回りの世界が“デスクトップ”になる

マジック・リープのいう「MR」とは、いわゆるVR(仮想現実)ゲームのテクノロジーや、「ポケモンGO」で使われているAR(拡張現実)のテクノロジーとは異なる。VRはユーザーを現実世界とは別の仮想空間に誘い、ARは逆にユーザーのいる現実世界にピカチューのような仮想の映像や情報を表示させる。だが同社のMRでは、ユーザーがいる場所にピカチューを登場させるばかりか、まるで現実世界の生き物のように自然に行動させることができるのだ。

いったいどんな仕組みなのか。同社の最終的な製品は「眼鏡」のような形状になると見られている。ただしVRのヘッドマウント・ディスプレイと違って、この眼鏡を装着しても、目の前にある現実世界の視界は遮られない。半透明のガラス片に内蔵された光学系システムを通じて、ユーザーの網膜に直に映像が映し出される仕組みだ。

さらに、この眼鏡は常に周囲の空間情報を収集する。室内をスキャンして障害物がないか調べ、人の声を聞きとり、目や手の動きを把握するのだ。こうした機能があるため、MR上に生み出された物体は周囲の空間を認識し、現実世界と自然にインタラクトすることができる。

つまりMRの世界では、現実の物体も、仮想の物体も、すべてコンピュータの情報として処理される。物体に位置や用途、そしてユーザーがどのようにそれを扱うつもりかといった予測情報まで与えられるのだ。「身の回りの世界がすべて、あなたの“デスクトップ”になる。そんな未来がやってくる」とアボヴィッツは説明する。

テクノロジーの歴史を振り返ると、最初に大型汎用コンピュータが作られ、次にパソコンが登場し、モバイルへと発展した。マジック・リープの思い通りに事が運べば、次世代のコンピュータはバーチャルなものになるだろう。レジェンダリー・エンターテインメントの創業者、トーマス・タルは語る。

「エンタメやゲームだけの話ではなく、世界とどのようにつながるかという話なんです。彼らが開発しているのは、それを大きく変える次世代のコンピュータです。マジック・リープはいずれ、とてつもない影響力を持つ企業になるでしょう」


マジック・リープがホームページ上で公開している映像では、体育館の床から突然、クジラが水しぶきをあげながら飛び出す。このように現実と空想を自然に融合したテクノロジーが同社の強み。なお、クジラは同社のロゴのほか、マーケティングの資料などでも使われている。

文=デビット・M・イーウォルト、翻訳=木村理恵

 

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