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歴史が繰り返されるならば、衆議院総選挙後は株価が上昇するはずだ―。
日本株に期待してきた投資家たちが報われる瞬間がまた訪れる、と筆者は語る。


 安倍晋三首相を批判するのは簡単だ。確かに、日本銀行に頼ってばかりで、第三の矢の実行に時間がかかりすぎかもしれない。しかし安倍首相が、株主リターンの強化策に熱心に取り組んでいる事実は、批判を補ってあまりある。これは、デフレ脱却と並ぶ安倍首相の功績として歴史に残るだろう。

 筆者のように、日本株を担当しているかわいそうな人たちは、過去20年に2回しか上昇相場を経験できていない。1度目は小泉政権下で、2度目は現在の安倍政権下で。そして2005年の小泉純一郎首相と同様に、安倍首相も解散総選挙の道を選んだ。ここで、21世紀の日本におけるたった2度の上昇相場を比較したグラフ(図1)を見ていただきたい。このように、両首相の政権下では、数四半期はマーケットが強含みで推移して上昇相場が始まり、その後15〜18カ月間は横ばいの展開が続いている。それが、選挙戦が始まると膠着期から脱するのだ。

 じつは、両政権下の株価の動きは極めて似ている。そして、小泉政権時の解散総選挙後の株価急上昇は記憶に新しい。グラフだけにもとづいて考えれば、総選挙後に株価が上昇すると予想するのは、妥当だ。さらに、安倍政権下の上昇相場は小泉時代よりも長続きすると考えられる理由が3つある。

 まず、日本銀行の働きだ。黒田東彦総裁率いる現在の日銀は、小泉政権下と比べて「横綱」級の援護射撃をしている。
 次に、公的年金基金による継続的な株式の購入が挙げられる。株式の需要が高まるので、これはフローの観点から見ても大きな意義がある。加えて、株式を大量に保有する年金基金が、株式市場の動向を強く気にかけている。その結果、株式相場上昇へのインパクトの強さも長さも違ってくるのだ。最後に、株主リターンの強化である。安倍首相が取り組むこの「株主リターン革命」は、小泉政権は手つかずも同然だった。05~06年当時に株主リターンの強化を求めていたのは、海外の投資機関ばかりで、経済界から反発を受けた。しかし現在、株主リターンの強化を求めるのは日本人株主なのだ。


サウジ、イランと原油安
 原油価格を単純に需給関係の需給面だけで見れば、世界の三大経済大国であるアメリカ、中国と日本が揃って回復基調にあるにもかかわらず、値崩れが続いているのはおかしい気もする。だが、現在の原油価格を巡る情勢には3つの要素が影響しており、そのいずれも今後、原油価格がいっそう下がる可能性すらあることを示唆している。(中略)実際、サウジアラビアには1980年代にロシア経済を潰すことでアフガニスタンから撤退させるために原油価格を暴落させ、成功した過去がある。当時と同じ王家が支配するサウジアラビアが、2匹目のドジョウを狙って同じ手法を使ってくることは、それほど見当はずれな予想でもないと筆者は考えている。

 これらはすべて、日本にとってよいことばかりだ。まず、原油を調達するために海外への資金流出を減らせるのがよい。また、輸入インフレのインパクトも低減される。これは、消費者や企業にとっても吉報だ。そのうえ、日銀が国内インフレを促進するために努力せざるを得なくなるというメリットもある。

 最近は、猫も杓子も「維新」といった明治時代の言葉を使いたがるようだ。それなら、こういう展開も「ええじゃないか」。

デービッド・スノーディ

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