テクノロジーの「ファストファッション化」進む中国、5大潮流

(Photo: Benjamin Joffe / HAX)


4.「山寨(さんさい)」ムーブメントの広がり

台湾のMediatekが低コストでハードウェア製造が可能になる、オープンソースプラットフォームを公開して以降、深センでは非常に多様なガジェットが迅速に生産されるようになり、有名ブランドの模倣品が即座に市場に出回ることも珍しくない。

中国語で模倣品やニセモノを意味する「山寨(さんさい)」という言葉は一つのムーブメントとなり、電子製品分野に言わば「ファストファッション化」の流れをもたらしている。電気シェーバー付きスマホ等の奇妙な製品も登場する一方で、深センで作られたホバーボードが爆発事故を起こす等、この分野の製品のクオリティに関しては疑問も残る。

5. 「ボーン・グローバル」企業の登場

コンシューマー向けドローン市場のリーダーのDJIは中国企業が真のイノベーターとなったケースの先駆けだ。ソフトウェア分野では、音楽PVを手軽に作れるサービスのMusical.lyがグローバルな認知を広げているが、文化的依存度が低いハードウェア分野のほうが、グローバル企業を生みやすい。

ドローン分野では世界初の旅客ドローンのEHangや、自撮りに特化したドローンのHover Camera等がある。

この分野では深センのハードウェアアクセラレータのHAXや、GGVキャピタル、シャオミのレイ・ジュンが率いるShunwei Capital(順為資本)、Kai-Fu Lee(李開復)率いるファンドInnovation Worksらが盛んな投資を行っている。今後はDJIに続く生まれついてのグローバル企業、ボーン・グローバル企業が登場することが期待されている。

中国のハードウェア系スタートアップはユニコーン的ポジションを得るまで、ほとんど海外で認知されない場合も多い。しかし、国外だけでも中国企業は億単位のユーザーを抱え、一歩国から出た途端、海外企業を驚愕させるケースも珍しくない。

編集=上田裕資

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