究極のプライバシー保護手段「VPN」に関する基本的知識

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匿名化されたWebサイトの閲覧履歴から、個人を簡単に特定できることが最新の研究で明らかになっている。プライバシー保護を強化するためには「トーア(TOR)」というツールやVPNを利用することが望ましい。今回は、VPNについて説明をしたい。

VPNは「Virtual Private Network」の略で、インターネット上にプライベートな仮想トンネルを掘ることに例えられる。VPNの特徴の一つが、「カプセル化」と呼ばれる技術だ。これは、手紙を他人に読まれないために封筒に入れて郵送するのと同じように、パケットを他のパケットで包むものだ。

手紙の場合、封筒に入れても開封されてしまう恐れがある。そこで、CIAが不正開封を防止するテープを貼るように、VPNではデータを暗号化している。暗号化のプロトコルはSSLやIPSec、PPTPなど、VPNによって異なる。VPN接続によって公衆ネットワークであるインターネットを介しながら、あたかも専用ネットワークのように使うことができ、プライバシーを保護することができるのだ。

Webブラウザのプライバシーモードが個人を特定できなくするだけなのに対し、VPNは、プロバイダやサイバー犯罪者たちがVPNトンネルの中で行われていることを確認できなくする。

VPNは、ホテルや空港、コーヒーショップなどで暗号化されていない公衆Wi-Fiを利用するときに有効だ。VPNによっては居場所をごまかすことも可能なため、地域によって閲覧制限が設けられている動画コンテンツを視聴したり、政府による検閲を回避することも可能だ。

しかし、VPNを利用することでプライバシーとセキュリティは格段に強化されるが、100%安全ではないことは肝に銘じておきたい。

編集=上田裕資

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