ACEEEが作成した昨年までの数年間は、その「最も有害なモデル」のリストに名前が挙がったモデルの大半は、エンジンが高出力の米国産以外のスポーツカーや、高級セダンだった。だが、今年はそうした高級車のうち、リストに入ったのは2モデルにとどまった。どちらも天文学的な数字が値札に並ぶ、ベントレーのピックアップトラックとSUVだ。
一方、最も多くこのリストに社名が記されたのは、昨年に引き続きメルセデス・ベンツだった。大型で箱型、威圧感を受けるGクラスのSUVは、軍用車から発展を遂げた高額のモデルだ。
そして、皮肉なことに環境に最も優しい12台に3モデルが入ったトヨタは、「有害な」モデルにも3モデルが入った(レクサスを含む)。
「生産開始から廃棄まで」を調査
ところで、これら12モデルは地球にどれだけ有害なのだろうか。米環境保護局(EPA)によると、例えば最も燃費が悪いメルセデスのAMG G65は、燃費を基に推計すると石油を年間およそ4372リットル消費し、1.6km走行するごとに温暖化ガス762gを排出するという。
EPAが公表している各モデルの燃費に加え、ACEEEはスモッグの原因になる大気汚染物質(炭化水素や酸化窒素、粒子状物質、一酸化炭素、ホルムアルデヒド)など健康に有害なガス、メタンや亜酸化窒素、二酸化炭素その他の温暖化ガスなど気候変動に影響を及ぼすガスの排出量についても、同様に評価の対象とした。
また、12モデルを選び出すにあたり、ACEEEはそれぞれのモデルの生産開始から廃棄までの全過程における環境への影響を考慮。生産に利用する工場の排出量や、各モデルの廃棄による環境影響なども反映した。ただし、生産台数が非常に少ないモデルを評価の対象外としている。
最も有害な12モデル
2017年版「環境に最も厳しい」車12モデルは以下のとおりだ。
・メルセデス / AMG G65
・メルセデス / AMG G63
・メルセデス / AMG G550
・メルセデス / AMG GLS63
・メルセデス / AMG GLE63
・ベントレー / ミュルザンヌ
・ベントレー / コンチネンタルGT フライングスパー
・トヨタ / セコイアFFV
・トヨタ / タンドラ 4WD FF
・レクサス / LX570
・フォード / トランジットT150 ワゴン
・シボレーエスプレス / G2500パッセンジャー バン