スペインのバルセロナで開催のモバイル・ワールド・コングレス(MWC)の会場で、グーグルのハードウェア部門を統括するRick Osterlohは「リリース日は未定だが、後継モデルを今年発売する」と述べた。
これは良い報せだが、新モデルは決して安価な製品ではなさそうだ。Osterlohは「Pixelシリーズはプレミアム路線を継続する」と述べている。
しかし、気になるのは一体どのぐらい“プレミアム”なのかだ。昨年発売のPixelやPixel XLはアップルのiPhoneやサムスンのGalaxyと同じ価格帯だった。今年発表されるiPhone 8やGalaxy S8は価格の上昇が予測されており、Pixelの後継モデルは昨年よりもさらに高価になることも見込まれる。
筆者個人としては、グーグルが価格面でアップルやサムスンに対抗しても、問題は無いと考えている。かつてのグーグルのNexusシリーズを愛した人々はプレミアム路線に反対するかもしれない。しかし、Nexusには妥協しなければならない点も多く、今ではOnePlusのような新興メーカーが安価な高性能機種を投入している。
アンドロイド端末にはこれまで真のプレミアムモデルが存在していなかったが、グーグルはPixelシリーズでユーザーを魅了し、特にカメラ性能ではアップルやサムスンの端末を上回っている。Pixelの新モデルが高価格になることは自然な流れだ。
グーグルがPixelの新モデルで取り組むべき課題は、デザインの刷新だ。現行モデルは上下のベゼルのスペースがかなり大きいが、これを一気にスリムダウンすることが求められる。また、Pixelは製造量が少なくなかなか入手できないのが難点であり、新モデル投入に向けてサプライチェーンの改善も必須課題となる。
素晴らしい端末を作り、大規模な広告予算を投入しても、製造が追いつかないのなら意味が無い。グーグルが切り開く、スマートフォンの未来に大いに期待したい。