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2017.03.21

ダボス会議からホームレスサッカーまで 「越境する男」の情報管理術

日本政策投資銀行の蛭間芳樹。出張から久しぶりに戻ってきたDBJ東京オフィスにて。

モニターに画像や映像が次々と映し出される。

2004年に発生した新潟県中越地震直後の震源地・十日町。2011年にフランス・パリで開催されたホームレスサッカーW杯での日本代表・野武士ジャパンの奮闘。世界中の実業家や政治家が一堂に会するダボス会議のスナップ……。

この使い込まれたカスタマイズレッツノートのユーザーが、いかに過酷で、特異な現場に足を運んできたのか。40万枚ほど保存されているというパワーポイントスライドの1枚1枚が、雄弁に物語る。

「常に一緒だから、相棒みたいなものですよ」

日本政策投資銀行(DBJ)の蛭間芳樹は、黒いボディの相棒をねぎらうような手つきで扱った。

30代前半にして蛭間ほど多くの肩書きを持つ人物も珍しいのではないか。

日本政策投資銀行に勤務しながら、東京大学生産技術研究所の都市基盤安全工学国際研究センターの協力研究員、3・11を機に設立された日本再建イニシアティブが取り組む「日本再建のための危機管理プロジェクト」のプロジェクト研究メンバー、サッカーを通してホームレスの自立を目指すホームレスサッカー日本代表「野武士ジャパン」のコーチ・監督、文化や芸術などを通して子どもの情操教育を行う「キッズファン」など多数のNPO活動を行う。2児の父親でもある。

DBJでは、自身が中心となって企画・開発した、企業の防災対策、事業継続対策、危機管理経営力などを審査して、高評価の企業に低利で融資する世界初の金融商品「BCM格付融資」などの業務を担当している。同商品は、2012年にダボス会議に取り上げられ、以降、国連、APECなどの国際会議に「リスク&レジリエンス」のプロフェッショナルとして毎年招かれている。

蛭間は「何をしているか、自分でも分からなくなるんですよ」と冗談めかして笑うほど多忙な毎日を送る。土日関係なく国内外を飛び回っているという。

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物理的な移動距離もさることながら、金融、防災・危機管理、教育、そして、スポーツを通した社会貢献など異なる専門分野を自在に越境する蛭間にとって、すべてのデータを一元管理できる相棒はなくてはならない存在だ。レッツノートとの出合いは、大学時代に遡る。

新潟県での中越地震と中越沖地震、岩手・宮城内陸地震、福岡県西方沖地震、そして中国・四川大地震。橋や道路などの社会基盤施設の設計、自然環境との共生や都市計画を専門領域とする社会基盤学(civil engineering)を学ぶ蛭間は都市防災を研究専攻とし、指導教授とともにあらゆる被災地に足を運んだ。

災害が起きるとすぐに自分たちの食べ物と水、デジカメ、そしてレッツノートを持って被災地に入る。テントや車のなかで撮影した写真を取り込んで、集めた情報をもとに報告書を書く。

「どんな現場でもレッツノートは期待に応えてくれた」と蛭間は振り返る。

タフで頑健――。そんなスペックを遺憾なく発揮できる現場である。いや、タフで頑健でなければ、耐えられない「えぐい現場」が被災地だった。

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「現場を歩いて分かったことがある」と蛭間は切り出す。

「地震は直接に人の命を奪うことはしません。地震に対して、脆弱な建築物やインフラが崩壊して、我々の命や生活を奪うのです。それらを設計し施工しているのは、我々自身です。『社会基盤学という、自分が学んでいる学問が、ややもすると人や社会を不幸にしているんじゃないか』と憤りを覚えました。多くの人が亡くならずに済む社会を意識的に創るにはどうすればいいのか、考える原体験になりました」

大学院に進んだ蛭間だったが、いつしか違和感を覚えるようになる。社会への還元よりも論文の数が重視される業界である。 “防災ムラ”と呼べるような閉塞感のなかではイノベーションは起きないと考えたという。

「世の中をもっと直接的に変えるような仕事をしたいと思いました。災害という社会課題に、金融という社会技術が役に立つのではないか。従業員の命を守り、事業を継続する投資をしている企業に意識的にお金を流通させるような仕組みができれば、多くの人の命を救え、日本社会の安全が担保され、ひいては日本経済の信頼性が更に高まるのではないか、と」

DBJ入行1年目。日本元気塾という社会人勉強会で、研修でホームレスを支援する雑誌『ビッグイシュー』の販売を経験する。それがきっかけで、ホームレスサッカーに関わるようになる。

「自分がまったく知らない世界でした」と蛭間。

ホームレスになりたくてなった人なんていない。また一概にホームレスといっても家族との縁が途切れたり、障害があり働けなかったり、と背景は様々だ。なかには失踪届を出されて戸籍が消失された人や、17歳で児童養護施設を出たとたんに路上にたどり着いた若者も多くいた。福島の原発事故で職を奪われた人も。

「彼らは、経済という観点での被災者だと思うのです。日本社会で、彼らが敗者復活できるチャンスはほとんどありません。でも、サッカーを通して信頼関係を築き、自信を取り戻して社会に戻っていきました。いま私たちのチームには、ホームレス状態にある方のみならず、若年無業者、ひきこもり、うつ病、障がいを持つ人、LGBT(性的マイノリティ)、被災地の若者などが集まっています。このチームが、多様な背景をもつ当事者すべての人たちのセーフティネットとチャレンジができる場になればと」

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ある大会の日。ボールを追った多様な背景を持つ選手たちの円陣のなか、相棒を開く蛭間がいる。

このカスタマイズレッツノートは、路上だけでなく、あらゆる現場で、蛭間とそこに生きる人たちをつなぐハブの役割を果たしてきた。まさに彼を支える相棒である。蛭間は言う。

「私は誰かと一緒に何かをやるのが好きなんです。その結果、その人や社会にいい影響を与えることが出来るのなら、それほどうれしいことはありませんね」

取材後、直ぐに出張に出発した蛭間は、フルタイムで働く妻にスカイプのインスタントメッセージを送った。「子供のご飯が終わったら連絡して。日曜の作戦会議たてよう」

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