同団体は昨年秋、女子高校生を対象とした起業アイデアのコンテスト「ビルトバイガールズ・チャレンジ」を開催。大学キャンパスで性的暴力事件が発生した際に地域のユーザーに知らせるアプリや、顔認識アルゴリズムを使ってパーキンソン病を早期発見するソフトウェアなどのアイデアを、ベンチャーファンド「BBGベンチャーズ」のインターン経験者で、出場者と同じ女子高校生である審査員たちがジャッジした。
2月にベータ版の運用が開始されたメンターシップのプラットフォーム「WAVE」は、さらに多くの女子高校生とテック業界の橋渡しを行う試みだ。メンターには、スポティファイやレント・ザ・ランウェイ(高級ブランドファッションのレンタルサービス)、ジフィー( GIFアニメーションの検索・共有サイト)といった先進的なテック企業で働く社会人男女が150人以上登録している。
ビルトバイガールズはモバイルアプリを通じて彼らと15-18歳の女性をマッチングする。メンターと学生らは毎月1回面談し、1年を通じてメンターが所属する企業の仮の事業計画を考案する。
「WAVE」を立ち上げた理由について、ビルトバイガールズのヴィクトリア・マーリンは次のように話す。「男社会の伝統を壊し、若い女性が参加できる、開かれたクラブを作りたいと思いました。その背景には私たち自身の経験があります。私たちがこれまでに出会った最高の仕事や応募者は、すべて紹介によるものでした。テック業界でキャリアを開始するにはネットワークに属していることが必須です」
ウェルズリー大学でコンピューターサイエンスを専攻する18歳のアナ・レウィは、同プログラムのアルファ版に参加した。「自分の会社を起こし、運営するとはどういうことなのか、おおいに学びました。そして素晴らしい友人ができました」とレウィは振り返る。友人とは彼女のメンターのことだ。
ニューヨークのイースト・メドウ高校に通う17歳のニキータ・ウパルは、職場体験をしてみたくて応募したと言う。「それ(職場体験)以上の収穫がありました。大勢の才能あふれる人たちと出会い、私が将来社会に出た時に役立つ重要なアドバイスや、人生全般のアドバイスをもらいました。アドバイザーともあっという間に強い絆ができました。今では、どんな時でも彼女を頼ることができます」
現在「WAVE」プログラムが展開しているのはニューヨークのみだが、近い将来、サンフランシスコを皮切りに全米の都市に広がる予定だ。