20億人突破目前 ザッカーバーグが語るFBの「政治的使命」

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まず、ザッカーバーグは、ユーザーのつながりを強化することを今後の重要な事業目標に掲げるとしている。具体的には、ユーザー同士が支援し合う「有益な」フェイスブックグループの数を増やし、より多くのユーザーにグループへの参加を促したいとしている。

また、いじめ防止や災害被害の拡散防止など、安全な暮らしを守るためのツールの開発にこれまで以上に投資をすると明言している。

ザッカーバーグは、ユーザーがフェイスブックを通じて様々な社会問題に対するコンセンサスの形成に参画でき、結果としてコミュニティ・ガバナンスが向上すると主張する。「人々が望む世界を作るため社会インフラにフェイスブックを育てていきたい」と彼はマニフェストの最後に述べている。

ザッカーバーグがマニフェストに記した取り組みのいくつかは、大きな成果が期待できる。例えば、今後ユーザーはヌードや暴力といったセンシティブなコンテンツの表示を自分で設定できるようになる。設定をしない場合は、ユーザーの居住エリアで最も多く採用されている設定が適用される。

これまで、安否確認機能「セーフティ・チェック」や、行方不明の児童の捜索を支援する「アンバーアラート」などの機能が多くの人を助けた一方で、フェイスブック上でテロリストが武器を取引きしたり、一般ユーザーが銃器の売買を行っているのも事実だ。同社が目指す社会インフラになるために解決しなくてはならない課題は多い。

フェイスブックは、最新の年次リポートの中で次のように述べている。「ブランドに対する信頼の向上が、ユーザーやマーケター、デベロッパーの数を増やす上で重要な鍵となる。そのためには、機能的で革新的なプロダクトを提供し続ける必要がある」

ユーザーからの信頼低下は、フェイスブックにとって事業の根幹に関わる重大事だ。ザッカーバーグのマニフェストからは、現状に対する危機感と、ブランドの信頼回復に向けた強い覚悟がうかがえる。

編集=上田裕資

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