広告が表示される無料サービスには2000万人が登録しているが、広告なしで日本のアニメを楽しむために100万人が月額6ドル95セント(約790円)を支払っているということになる。つまりクランチロールのユーザーの5%が有料会員だということだ。
クランチロールの共同創業者Kun Gaoは2013年のインタビューで、ユーザー総数に占める有料会員の割合は10%弱だと話していた。広報担当者は、わずか12カ月で有料会員数が36%増えたという急成長に触れ、ユーザー数が大幅に増えている状況を説明した。
有料会員が100万人いるということは、毎月700万ドル(約8億円)近い収入があるということだが、クランチロールは依然としてニッチな企業だ。例えばネットフリックスの有料会員数は8600万人であり、ストリーミングメディアの顧客基盤がいかに巨大であるかを示している。クランチロールが拾いきれていないユーザーがまだたくさんいるとも言える。
今回の有料会員数100万人達成という節目を記念して、同社は北米における新たなアニメ・コンベンション「Crunchyroll Expo」の開催を発表した。カリフォルニア州サンタクララで2017年8月25日~27日の日程で開催される。
コンベンションは多くのクランチロールファンが集まり、多額の売上が期待できるイベントだ。北米最大のアニメ・コンベンション「アニメ・エキスポ」には8万6000人のファンが参加し、グッズ販売や観光、飲食などで5500万ドル(約62億円)の経済効果を開催地ロサンゼルスにもたらしている。
クランチロールの新イベントも商業的に成功しそうだ。10万平方フィート(約9290平方メートル)の広さを誇る会場にはアニメ関連グッズの販売者とそれを求めるファンが多数押し寄せることだろう。
クランチロールが1月にエンジニアリングチームを含む多数の従業員を解雇したことはファンにとっても悲しいことだった。しかし、今回の発表は、社内の再編成が必要だったことを示しているのかもしれない。