一方、ニュースフィードのエンゲージメントは7か月連続で減少していたが、2015年9月から2016年3月にかけてプラスに転じた。これは広告よりも、ユーザーからの投稿や動画を優先表示するようにアルゴリズムを変更したことが原因と思われる。広告主たちの希望に反し、広告表示を減らした方がフェイスブックにとってメリットが大きいことになるが、収益面とのバランスを図ることが今後の課題になる。
今回の調査結果で注目すべきキーワードは、「アルゴリズムのアップデート」だ。フェイスブックが定めたルールにユーザーは良くも悪くも大きな影響を受け、それが嫌であれば退会するしかない。フェイスブックは、退会者は増加していないと述べているが、Mavrck の調査結果は、ユーザーらの利用法や目的が以前から大きく変化していることを示している。今回の調査では、他にも以下のような興味深いデータが示された:
・2016年の1投稿当たりのエンゲージメントは、2015年に比べて15.14%減少した。
・投稿に対するエンゲージメントの基本指標は全て減少した。1投稿当たりの「いいね!」は7.87%、「コメント」は37.47%、「シェア」は27.8%減少した。
・一般ユーザーの投稿に対するエンゲージメントは、企業による投稿の6.9倍高かった。
今回Mavrckが分析した2,500万件の投稿は、友達数が500〜5,000名の一般ユーザー100万人の投稿が対象となった。
2017年は、フェイスブックにとって重要な年になる。スナップチャットや中国のSNSとの競争が激化することが予想されるほか、偽ニュースに対する対策の強化も求められる。また、中国進出の糸口はまだ見えておらず、多くのユーザーはサービスに飽き始めている。これらの取り組みの成否は、ザッカーバーグが先日示した10年プランを達成する上で重要な試金石となるだろう。