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2017.02.24 08:00

身近な店舗での「たばこ販売中止」が禁煙につながる可能性

Photo by Justin Sullivan / gettyimages

米ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスが発表した最新のデータによると、同社がたばこの販売をやめたことで、小売店全体でのたばこ購入量が減少したという。

同社は2014年秋、全てのたばこ製品の販売を中止。この前例のない措置は、公衆衛生の推進派や医師、そしてホワイトハウスからも注目を集めた。学術誌アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリックヘルスに発表された今回の調査結果は、「CVSがたばこ製品を商品棚から撤去した後、世帯レベル、国民レベルでたばこの購入量が顕著に減少した」と結論づけている。

たばこの販売を取りやめるというCVSの決定は、同社のドラッグストアでのみたばこを購入していた消費者たちにより大きな影響を及ぼした。同調査によれば、こうした消費者たちはそれ以外の店舗でたばこを購入していた消費者よりも38%、たばこを買わなくなる傾向にあった。

調査では、アメリカの各世帯の購入データを使用を基に、2014年9月から2015年8月の間の少なくとも6か月、たばこの購入をやめていた世帯の数を検証した。調査はCVSが資金提供を行い、報告は同社の幹部が執筆。論文審査を経て同誌に掲載されたということだ。

「店内の商品棚からたばこを撤去したら、かなりの数の顧客が、別の店でたばこを購入するようになるのではなく、たばこを購入すること自体をやめ、期待を込めて言えば喫煙もやめた」と、CVSヘルスの医療担当責任者トロイエン・ブレナン博士は報告書に伴う声明の中で語った。

「本調査は、たばこへのアクセスを阻害するという当社の決定が、公衆衛生に力強い影響を及ぼし、より多くの顧客の健康増進を手助けしていることを証明している」

CVSでは、たばこと関連商品の販売をやめたことで年間売上にして20億ドル(約2270億円)の損失になるとしている。だが同社の総合売上高は、医療保険改革法(いわゆる「オバマケア」)により発生した新たなビジネスや医療サービスビジネスの成長のお陰で、過去3年間、増加を達成している。

競合他社は今のところ、CVSの後には続いていない。ウォルマート、ライト・エイドやウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスのいずれの企業も、公衆衛生団体や一部株主からの圧力にもかかわらず、たばこ商品の販売を続けている。ウォルグリーンズは、「販売取りやめではなく、顧客向けの禁煙プログラムのさらなる推進に取り組んでいる」とコメントしている。

編集=森 美歩

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