さらに、新たに公表されたデータによれば、私たちにはこうした話を「好む」だけではなく、実際に力の弱い人のために行動を起こし、支援する「判官びいき」の傾向があることが分かった。
米マーケティング協会の研究誌「ジャーナル・オブ・マーケティング」に掲載された報告書によると、消費者は一定の条件がそろえば、能力が低くても道徳心の高い「弱者」を支持するのだという。
消費者心理を調査
・ オンラインレビューのコメントを分析
ジョージタウン大学マクドノー経営大学院のレベッカ・ハミルトン教授(マーケティング学)率いる調査チームはまず、消費者が自動車整備士や医師をはじめとするサービス提供者の「能力」と「道徳心」のどちらをどれだけ重視しているかを調べた。
チームはまず、消費者が次の3つの点について評価していると考えられるオンラインレビューの内容を分析した。
・ 能力(専門知識、スキルと知性)
・ 道徳心(誠実さ、公平さ、基本的性質、正直さ、信頼性)
・ 優しさ(謙虚さ、感謝の念、親切さ)
医師や美容師など5つのサービス業に従事する人たちに関する評価をレビューサイトのイェルプ(Yelp)からそれぞれ約30件ずつ(合計147件)抽出。その後、そのレビューがどれだけ役に立ったかという他のユーザーたちからの評価を検証。それらを基に、上記3つの特性などに関する評価を数値化した。
レビューの中で最も多く言及されていたのは「能力」(88%)で、それらのうち62%が肯定的、17%が中立、21%が否定的な意見だった。次いでサービス提供者の「優しさ」に関するコメントが平均56%あり、これも大部分(80%)が肯定的な意見だった。「道徳心」に関するコメントの割合は18%で、53%が肯定的、33%が否定的な見方だった。