「トランプ大統領」の影響はアメリカン・ドリームの実現に功か罪か 

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歴史家で著述家のジェームズ・トラスロー・アダムズは1931年、著書「アメリカの叙事詩(The Epic of America)」の中で初めて、「アメリカン・ドリーム」という言葉を使った。アダムズは同著の中で、「それぞれの能力や業績に応じて、全ての人に機会が与えられ、それぞれの人生はより良く、豊かに、満ち足りたものになるべきだ」と述べている。

それから86年、統計サイトのスタティスタは米国民を対象に、「アメリカン・ドリームの実現に不可欠な要素は何か」を尋ねてみることにした。米国の現在の政治情勢を考えれば、興味深い調査だ。

最も多くの人(66%)が「不可欠なもの」に挙げたのは、「個人の自由」だった。次に回答が多かったのは「宗教の自由」と「平等」(56%)だった。

ドナルド・トランプ大統領は就任以来、アメリカン・ドリームの実現に貢献する働きをしてきただろうか。目立つのは、イスラム圏7か国の市民の入国を一時禁止する大統領令への署名や、メキシコとの国境に壁を建設するとの公約、「うそのニュースを報じている」と繰り返し報道機関を批判していることなどだ。調査結果に基づいて判断すればトランプはほぼ間違いなく、アメリカン・ドリームが支持する最も重要なものを踏みにじっているといえる。

調査結果

米国民が考える「アメリカン・ドリームの実現に不可欠なもの」(数字は回答者の割合)

・個人の自由 66%
・宗教の自由 56%
・平等 55%
・安全 54%
・幸福の追求 53%
・経済的自由 51%
・法の自由 48%
・政治的自由 45%
・公共の利益 44%
・多様性 42%
・報道の自由 40%
・進歩と変化 39%
・愛国心 37%
・三権分立 36%
・科学的進歩 36%
・行動と実現 34%
・個人主義 34%
・競争 30%
・資本主義 28%
・団結 21%
・自主性 19%
・上記以外 4%


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出典:スタティスタ

編集=木内涼子

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