宇宙ベンチャー「ロケットラボ」 初号機の発射準備完了へ 

Sergey Nivens / shutterstock.com

小型衛星の打ち上げを行う宇宙ベンチャー企業「ロケットラボ(Rocket Lab)」は2月15日、同社の第一弾のロケット「エレクトロン」が、ニュージーランドの打ち上げセンターに到着したとアナウンスした。

ロケットラボは米国ロサンゼルス本拠で、商業用小型衛星の打ち上げを行う企業。初号ロケットは“It’s A Test”のニックネームで呼ばれており、合計3回のテスト打ち上げを予定している。ニュージーランドからのロケット打ち上げは今回が初となる。

ロケットラボの宇宙への取り組みはかなりユニークだ。現在、ほとんどのロケットは手作業で作られているが、同社は基本コンポーネントの製造に3Dプリント技術を用い、大量生産を目指している。

エレクトロンロケットはカーボン素材の採用で軽量化を果たし、使用する液体燃料を低減して低コスト化を実現。3Dプリント技術で製造されたエンジン部品は数日で組み立てが可能という。新素材の活用とスケール、独自のメソッドにより「1回あたり490万ドル」という低コストのロケット打ち上げを顧客に提供しようとしている。

同社CEOのピーター・ベックは「我々の究極のゴールは人類の宇宙へのアクセスに革新をもたらすことだ。新たなテクノロジーが生み出したイノベーションで、かつてない規模でロケットを宇宙に送り出していきたい」と声明で述べた。

小型衛星市場は近年急成長を遂げており、ロケットラボは既にNASAをはじめSpireやPlanetといった有力企業と契約を結んでいる。同社は昨年12月、月面に小型宇宙船を到達させることを目標に掲げる、ムーンエキスプレス(Moon Express)とも契約し、今年中にそれを実現しようとしている。

編集=上田裕資

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