グーグル超え狙うディープラーニング企業「ガマロン」の野望

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「非構造化データの分析は、数十億ドル規模のビジネスになる」とガマロンに出資しているFelicis Venturesのマネージングディレクター、Aydin Senkutは話す。同社がグーグルのTensorFlowを使ったお絵描きゲーム「Quick, Draw!」アプリで電気スタンドとソファを描いたところ、AIは家か教会だと判定した。これは、AIが二つの異なる物体を描いたことを認識できなかったからだ。これに対し、ガマロンのシステムは、AIは電気スタンドとソファをそれぞれ認識することができた。

ビゴダは、ガマロンを創業する前にLyric Semiconductorという確率処理回路のメーカーを立ち上げ、2011年にAnalog Devicesに売却している。彼は、マサチューセッツ工科大学で統計物理学と機械学習の博士号を取得している。

ガマロンは、これまでにアメリカ国防総省の機関である国防高等研究計画局(DARPA)から770万ドル(約8.8億円)の出資を受けているほか、シードラウンドでFelicis Venturesなどから450万ドルを調達している。ガマロンは将来的に機械学習技術を外部企業に提供するかもしれないが、大手テクノロジー企業の多くはディープラーニングに目が向いているため、導入は容易でないだろう。

「現在のトレンドはディープラーニングであり、我々の技術を売り込んでも取り入れてもらえないだろう。まずはデータクリーニングを通じて我々の技術力を理解してもらった上で、その先の展開を図っていきたい」とビゴダは話す。

編集=上田裕資

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