最近では、中国メーカーの幹部たちがAI搭載スマホについて積極的に発言をしているが、次世代端末のスペックをリリース前に公開するのは異例のことだ。
人工知能搭載の「スーパーフォン」を開発
現在、世界のスマホ市場で3位のファーウェイは、2021年にサムスンとアップルを追い抜くことを目標に掲げている。ファーウェイのコンシューマ向け端末事業グループで戦略マーケティング担当プレジデントを務めるシャオ・ヤンは、AIで機能を強化した「スーパーフォン」を2020年までに開発すると述べている。同社が、世界首位を奪取する上でAI搭載スマホが鍵になることは間違いない。これまで、ファーウェイのAIに対する取組みはベールに包まれていたが、Mate 9のリリースによってその内容がついに明らかになった。
ファーウェイが1月に米国でリリースしたフラッグシップモデル「Mate 9」には、機械学習機能とAIアシスタントが実装されている。
「Mate 9は、機械学習アルゴリズムによって長期間使用しても高速でスムーズなパフォーマンスを実現した」とヤンは話す。Mate 9は、ユーザーの使用頻度が高いアプリを学習し、CPUリソースを優先的に割り当てている。「これはMate 9の中核となる機能だ」と調査会社Canalysのアナリストであるベン・スタントンもこの技術を高く評価する。
また、Mate 9はアマゾンのAI音声アシスタント「Alexa」にスマホとして初めて対応しており、ユーザーは音声コマンドで最新のニュースを確認したり、スマートホーム家電を操作することができる。ファーウェイは、アマゾンとの提携において競合他社にはない強みがあるとスタントンは指摘する。
「ファーウェイがアマゾンと提携できるのは、両社がサービス面でコンフリクトしていないからだ。AlexaがMate 9のユーザーにアマゾンプライムのサービスを勧めても、ファーウェイには競合するサービスがないので問題にならない。しかし、アップルとグーグルが相手だとそうはいかない」とスタントンは言う。