2月13日付のインドの経済紙エコノミック・タイムズによると、同社の採用者数は2016年度、前年までと比べて大幅に減少した。33年前の創業以来、初めてのこととなる。
投資会社GQGパートナーズのラジブ・ジャイン会長は、「インフォシスが従業員を雇用し続ける時期はすでに過ぎた」と指摘。自動化が進展すれば、必要な人員は減少するものだと説明している。
また、ジャイン会長によれば同社のこの方針は、最終的には同社にとって追い風になるという。同社の株価は今年に入り、一時年初来-1.1%を記録したが、これは「同社が今後も雇用を続けるとの前提で考える人たちがいるためだ」。
「今後は人員削減が行われることも増えるだろう。だが、これは全てのITサービス事業者が直面する構造的な問題だ。そして、その最大の影響を受けるのがインドだ」
インフォシスの世界全体での従業員数は現在、20万人近くに上る。同社のIT部門のトップ、ジャイシュ・ランジャンは、同社が今年度、6,000人を新規採用する計画であることを明らかにしている。ただし、昨年までの年間の採用者数は平均2万5,000人だった。また、ソフトウエアエンジニアの採用数は今年、およそ75%減少することになる見通しだという。
米新政権の影響は─
インドのアウトソーシング企業各社のトップは近く米首都ワシントンを訪れ、連邦議会で高度な専門職向けの同国のビザ、「H-1Bビザ」についてロビー活動を行う予定だ。
年間約8万5,000人に発給されているこのビザの60%以上は、コンピューター技術関連の企業で働く人たちが取得している。そして、その人たちの約70%がインド人だ。大半はインフォシスと、競合するタタ・コンサルタンシー・サービシズやウィプロ(Wipro)、テックマヒンドラ(Tech Mahindra)、コグニザント(Cognizant)、HCLテクノロジーズの従業員となっている。