ビジネス

2017.02.16

まさに大博打! 少数部族を富豪に変えた辣腕CEO

ジェームズ・アレン セミノール・ハードロック・エンターテインメント会長兼CEO

世界的レストランチェーンの「ハードロックカフェ」を米南部の少数部族が買収する─。

2006年のセミノール部族による同社の買収劇は大きな驚きをもって迎えられた。米フロリダ州で暮らす部族の中からも不安の声が上がった、と買収を指揮したジェームズ・アレン(56)は振り返る。

「オレが血迷ったんじゃないか、って彼らも思ったようだね」

それから10年。アレンの経営によりハードロック・インターナショナルは順調に拡大。カジノやホテル運営から推定年15億ドルの利益を上げている。その結果、同社を所有する4,100人弱のセミノール部族には、1人当たり年12万8,000ドルも懐に入ってくることになった。

ドナルド・トランプの下でカジノ運営を学んだアレンは、卓越したビジネスセンスと粘り強さで部族の信頼を勝ち取ってきた。

部族のある女性は、「観光客に土産物を売ることで生計を立ててきた」と過去を振り返り、こう話す。

「アレンは突き進むの。私も立ち止まるような経営者はお断りよ」

ジェームズ・アレン◎料理人として働き始めた後、経営マネジャーに転向。「トランプ・インターナショナル」の賭博場担当を経て、2001年にフロリダ州のセミノール部族が所有する「セミノール・ゲーミング」にCEOとして招聘される。その経営手腕に対する部族の信頼は厚い。「別れの時が来ても、『あの白人は誠実だったな』と思われたい」と本人は語る。

文=フォーブス ジャパン編集部、写真=ジャメル・トッピン

この記事は 「Forbes JAPAN No.31 2017年2月号(2016/12/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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