「クリエイティビティ」に対する意識、日本と世界で明らかな差

SOURCE : STATE OF CREATE 2016 / ADOBE

近年、アップルやテスラといった企業が、製品の独創性やデザインで多くの消費者を惹きつけてきた。

イノベーションを実現するクリエイティビティ(創造性)の重要性に注目が集まる中、ソフトウェア開発会社「アドビシステムズ」が創造性に関する意識調査を実施した。

日本をはじめ、アメリカやイギリス、ドイツ、フランスの約5,000人を対象としたこの調査では、世界で最もクリエイティブな国と都市にそれぞれ日本と東京が選ばれている。ところが、自らをクリエイティブではない、と回答する人の割合は日本が最も多かった。

自信がないのか、謙遜なのかは判断が分かれるところだが、気になる点が一つ。「クリエイティビティに積極的に投資する企業は革新が促進される」と回答した人の割合が63%でダントツの最下位であること。他国は軒並み80%台だけに、創造性に対する意識の差が浮き彫りになった。

東京
2012年の調査でも、「最もクリエイティブな都市」に選ばれている。アートや建築が世界のクリエイターを魅了してきた。夏季五輪でさらに注目が集まるか。

ニューヨーク
東京に次ぐ2位に入ったニューヨーク。ファッションやメディアの中心地で、世界中に最先端の流行を発信してきた。近年は、スタートアップも増えている。

パリ
芸術の都には時代を超えて、ファッションやアートの才能が引き寄せられてきた。今は欧州を代表するスタートアップハブとして、起業家の目的地の一つに。

ロンドン
音楽やカルチャー面で世界中の文化に影響を与えてきた。フィンテック関連の新興企業が集まっているが、ブレグジット後も勢いを維持できるかが課題。

ロサンゼルス
“映画の都”ことハリウッドには近年、IT企業が続々と進出している。コンテンツの需要が高まっているからだ。そのために、制作スタジオを設立した企業も。

サンフランシスコ
芸術家が数多く暮らし、LGBTへの理解もある街として知られる。シリコンバレーの企業が進出したことで、低所得の芸術家が立ち退きを余儀なくされる問題も。

ベルリン
前衛的な芸術の発信地として人気。アートとテクノロジーの融合を目指す起業家も多く生まれており、欧州最大のスタートアップハブへと成長した。

文=Forbes JAPAN編集部

この記事は 「Forbes JAPAN No.31 2017年2月号(2016/12/24発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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