アイコニックス社は2014年以来、ライセンス収入の低下に直面しており、2015年には1億8,900万ドル(約215億円)の損失を計上していた。
アイコニックス社傘下のピーナッツは昨年9,500万ドルの売上を生み出しており、アイコニックスグループの2015年度の売上3億7,900万ドルの約4分の1を占めている。同年には映画「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE 」が世界で興行収入2億4,620万ドルを稼ぎ出していた。
売却金額は明らかにされていないが、アナリストは3億ドル近い金額を予測している。アイコニックスは売却で得たキャッシュを12億9,000万ドル近い負債の返済に充てると見られる。
C.L. King & Associatesでアナリストを務めるスティーブン・マロッタは「売却の金額次第で、アイコニックスは負債比率を大幅に引き下げることも可能だ」と述べ、同社が売却を進めるのは当然の措置だと話した。ピーナッツ側にコメントを求めたが、回答は得られていない。
スヌーピーの漫画「ピーナッツ」の生みの親のチャールズ・M・シュルツは2000年に死去。ロイターの報道によると、ピーナッツブランドは年間3,000万ドルの利益を生み出しているという。シュルツは2016年のフォーブスの「死後も稼ぎ続ける著名人(Top-Earning Dead Celebrities)」ランキングでマイケル・ジャクソンに次いで2位につけ、収入は推定4,800万ドルとされていた。
アイコニックスはシュルツの遺族とともに2010年にジョイントベンチャーを設立。ピーナッツの株式の80%を1億7,500万ドルで取得していた。しかし、その後の事業はアイコニックスの思惑どおりには進まず、昨年を除けば年間売上が8,000万ドルを超えることは稀だった。
生命保険会社のメットライフは31年間に渡りスヌーピーを広告に起用。年間1,200万ドルがアイコニックスにもたらされていたが、契約は2019年で終了することが昨年報じられた。メットライフはスヌーピー無しの広告を今年にも始動する。ロイターの記事によると買収に関しては中国企業が関心を示しているという。