高級車ブランドのキャデラック、ビュイック、リンカーン、ジープは販売の好調ぶりが特に目立った。一方でシボレーやフォードといったブランドが含まれる大衆車のセグメントでは、国産メーカーからの風当たりが強かったようだ。
米国の主な自動車メーカーの2016年の中国市場での販売台数は、次のとおりだった。
・ゼネラル・モーターズ:387万台(前年比7%増)
・フォード:127万台(同14%増)
・フィアット・クライスラー(ジープ):13万3,000台(同94%増)
以下、上記3社の昨年の中国市場での販売状況について、概要を紹介する。
ゼネラル・モーターズ(GM)
GMのビュイックは昨年、前年比19%増の118万台を売り、中国で最も売れたブランドとなった。また、キャデラックは同46%増の11万6,000台を販売。中でもSUVの「XT5」の販売台数が大幅に伸びた。
中国の高級車市場はBMWやポルシェ、アウディ、メルセデス・ベンツなどのドイツ車が優勢を占めており、各社を合わせた市場シェアは全体の75%に上っている。キャデラックとレクサス、ランドローバーは、その後を追う状況だ。
また、シボレーは中国市場では大衆車のブランドという位置付けになっている。吉利汽車(ジーリー)や長城汽車(グレートウォール)などの国産ブランドが品質を上げてきていることから、大衆車ブランドは世界的にもリスクにさらされている。
GMの低価格帯のモデルは、中国企業との合弁によって生産されている。上海汽車集団(SAIC)とは、「宝駿(バオジュン)」ブランドの小型車とSUVを手掛ける。昨年の販売台数は前年比49%増の68万8,000台だった。また、GMとSAIC、五菱汽車の3社が合弁で生産する「五菱(ウーリン)」は、過去最多となる135万台を販売した。ウーリンは価格1万ドル(約113万円)以下のミニバンとトラックを専門に扱っている。