ビジネス

2017.01.29

サンプル定期便のバーチボックス、実店舗で海外進出へ パリに今春オープン

Photo by Ben Rose/Getty Images for Birchbox


ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長やテスラモーターズのイーロン・マスクCEOといった企業トップがオンラインで消費者と直接やり取りをするようになり、ブランドは進んでソーシャルメディアを活用するようになった。そして、消費者は利用するブランドの価値を理解したいと考えるようになり、透明性を求める声が高まった。

「Z世代は企業側に消費者が直接アクセスすることや、フィードバックすることができなかった時代を知らない。そして、ネットを通じた向こう側に、(自分の声を)気にかけてくれる誰かがいることを期待している」とビーチャムは語る。

そうした中で、同社は消費者から話を聞き、彼らについて学んできた。そして明らかになったのは、ブランドとは扱う製品だけではなく、非常に多くのものを意味するものになっているということだった。

また、誰もが「美」の専門家であるようにもみえる一方で、同社がその美について学んだ最大のことは、大半の女性たちにとって化粧品などの購入は「簡単ではない」ということだった。選択肢は多く、効能も多岐にわたる。魅力的だと思える価格も、人によってさまざまだ。

バーチボックスの成功を決定付けたのは、こうした本質的なことに対する理解だった。定期宅配というサービスモデルは、化粧品などを買いに行きたくないという女性たちの気持ちに訴えた。多くの女性たちが、ネット上で検索して色々な製品について調べ続けることよりも、実際に届くサンプルを試してみることを選んだのだ。

「今言えるのは、小売業界がこれまで従ってきたプレーブックは使わないということだけだ。デジタル世代の企業として、私たちには新たな規則を打ち立てる機会が与えられていると思う」

海外進出を発表

バーチボックスは先ごろ、ニューヨークにある実店舗に続き、パリに今春新たな店舗をオープンする計画を発表した。実店舗での販売は同社にとって、買い物客たちから直接情報を得るための効果的な方法だ。

ビーチャムはパリ店開設の目的を、「ブランド経験を生きたものにすること、定期購入を契約している会員たちとの関係を深めると同時に、新たな顧客を獲得すること」だと話す。その他の都市にも新店舗を開設する予定で、時期や進出する市場、新店舗の形態について検討中だという。

編集=木内涼子

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