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「3DSとスイッチは問題なく共存できる。我々はこれまでも2つの異なるシステムを共存させてきた経験がある」と米国任天堂社長のレジナルド・フィサメィは最近のWiredのインタビューで述べている。

これまで任天堂は、3DSのサポートを2017年まで行うとしていたが、フィサメィの発言からは、今後も長期間に渡って3DSを存続させる考えであることがわかる。また、任天堂がスイッチを3DSに代わる携帯ゲーム機の柱として位置付けていないことも明らかだ。携帯ゲーム機は、スマホやタブレットの登場によって競争環境が激化しており、ソニーのPS Vitaは失敗に終わった。スイッチもPS Vitaの二の舞になる可能性は否定できない。

さらには、任天堂は「ポケモンGO」や「スーパーマリオラン」などのスマホゲームも提供しており、「ファイアーエムブレム」と「どうぶつの森」のリリースも間近に控えている。スイッチは3DSだけでなく、自社のスマホゲームとも競合することになる。

任天堂が3DSを廃止して携帯ゲーム機をスイッチ一本に絞ったとしても、膨大な台数を売らなければ成功とは言えない。Wii Uは1,300万台、3DSは6,000万台が売れたが、投資家からの評価は芳しくなかった。家庭用ゲーム機と携帯ゲーム機のハイブリッドであるスイッチは、最低でもWii Uと3DSを合わせた台数を超えなければならないが、その実現は困難だろう。また、同程度の数を販売したところで、投資家から高い評価は期待できない。

スイッチは、マイクロソフトとソニーだけでなく、アップルやグーグル、さらには自社製品とも競合することになる。競争環境がますます厳しくなる中、任天堂はあえてハードの性能が低いスイッチで勝負を挑んだ。

スタートレックでは、カーク船長がプログラムを書き換え、コバヤシマルを救出することに成功した。カーク船長が不正を働いたとして批判する者もいたが、独創的な発想を称賛する人も少なくなかった。筆者には、任天堂が勝利するシナリオをどうやっても思い描くことができないが、カーク船長のように奇抜なアイデアで成功する道はまだ残されているのかもしれない。

編集=上田裕資

 

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