なぜポルシェが起業家をサポートするのか?

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自らが欲したスポーツカーを自分自身の手で造り上げ、その後、自社生産を開始したポルシェ。やがてスポーツカーメーカーとしての名声を高めたポルシェの歴史は、時代を切り拓く起業家精神から始まっている。

現在のポルシェ社の母体は、1931年にフェルディナンド・ポルシェが創業した設計事務所。フォルクスワーゲンや優れたレーシングカーを生み出したポルシェ氏の夢は、自らの名を冠したスポーツカーを自社生産することだった。やがて彼の息子であるフェリー・ポルシェは試作を繰り返し一台のスポーツカーを作りあげ、父の夢を叶える。1948年に誕生した「ポルシェ356」がその車だ。

ひと目でポルシェとわかる個性的なルックス、スポーツカーとしての魅力溢れる動力性能。現在にも通じるポルシェのDNAは、最初の一台に刻み込まれていた。その後、30,000回にも及ぶレースへの参戦において、時代の最先端をゆく効率的なパフォーマンスでスポーツカーファンに歓びを与えるため挑戦を重ね、数々の革新を生んできたポルシェ。近年では、ハイブリッドテクノロジーの推進などで、天然資源の消費やCO2排出量の削減という時代の要求に応える挑戦を続けている。高効率と走る愉しさの両立という難題にも果敢に挑み、革新的なイノベーションで解決してスポーツカーの未来を開拓している。

自身の理想の車を実現するために邁進したフェルディナンド・ポルシェの時代から現代まで連綿と受け継がれるポルシェのチャレンジングスピリット。それは、自らの理想に向かい突き進む現代の起業家にも通じる。

文=青山鼓

この記事は 「Forbes JAPAN No.30 2017年1月号(2016/11/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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