<自治体部門>
柏の葉アーバン デザインセンター(千葉県柏市)
千葉県柏市にある柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)は「公・民・学」連携による地域主体の街づくり、拠点づくりに取り組んできた。
UDCKが設置したまちの健康研究所「あ・し・た」は、東京大学と企業の協力によって誕生した、市民の健康づくり拠点。妊婦や乳幼児から高齢者まで、幅広い世代を対象に、計測サービス(体組成計測、ロコモチェック、加齢性筋肉減弱現象チェック、滑舌の良さの計測、歯磨き圧チェック)に加えて、健康関連のイベントや情報を提供している。
<特別功労賞>
佐久総合病院(長野県佐久市)
佐久総合病院は「予防は治療に勝る」をスローガンに、地域に密着し、院内外での健診や保健予防活動に力を入れてきた。
1959年に近隣の村で全村健康管理を始め、75年には全県の農協の組合員や地域住民を対象とした年1回の健診を開始。各地での健診、啓発活動を通じて病気の早期発見と治療、食、住、労働生活への指導などを継続してきた。地域住民の寿命が延び、行政の医療費支出の大幅減も実現した。これらの活動は国の特定健診、特定医療指導の礎となった。
海外の発展途上国でも注目されており、インドネシアやアフガニスタンなどさまざまな国から毎年、視察が多く訪れている。
<Health Tech賞>
池野文昭:MedVenture Partners, Inc 取締役チーフメディカルオフィサー
MedVenture Partnersは、日本初の医療機器専門のベンチャーキャピタルだ。
同社のCMO(チーフメディカルオフィサー)である池野文昭は、循環器内科の医師としてキャリアを積んだ後に渡米。スタンフォード大学のラボで医療機器開発のための動物実験に従事した。シリコンバレーで医療ベンチャーのコンサルティングに携わってきた経歴を持つ。ベンチャー企業が持ち込む医療機器のアイデアに、医師としてのフィードバックを返す。
日本の医療機器産業を育てたい─池野はシリコンバレーで培った経験を、日本で生かす。
<自治体特別賞>
神奈川県
「健康寿命日本一を目指す」 2013年1月、神奈川県の黒岩祐治知事は年頭所感でこう宣言した。神奈川県の取り組みで特徴的なのが未病予防に力を入れていることだ。
県民へのアプローチとしては、県内の自治体や企業、団体の施設に「未病センター」を設置。昨年から「未病サポーター」の育成を始め、すでに5,000人以上が受講した。
一方、産業面では、庁内にヘルスケア・ニューフロンティア推進本部室を設置。未病産業の創出を支援するほか、CHO(健康管理最高責任者)構想を推進するなど、多角的な施策を実行している。