長年、暖かさやファッション目的で毛皮を身に着けるのは非倫理的なことだと受け止められてきた。だが近年では、再び毛皮がファッション界に“復活”を遂げつつあると、ニューヨークタイムズ紙も報じている。
カナダグースに対する主な批判は、商品の縁部分にコヨーテの毛皮を使っていることだ。つまり、近年のこうした傾向は、毛皮を身に着けることが容認されてきていることを意味する。
ガチョウの綿毛を使用するという“倫理”をめぐる懸念もあるが、実際はあまり表面化していない。生きたガチョウから綿毛をむしり取る場合には、ガチョウを苦しめることになる。しかしカナダグースは、使用している綿毛は全て家禽産業の”副産物”として取れたものであり、生きたガチョウからむしり取られたものではないとしている。
同社はウェブサイトで、「当社は毛皮(ファー)を着ることについて賛否があることを理解している。そうした個人の意思は尊重しているが、当社はその見解を共有していない」として、ファーについての自社の見解をはっきりと示している。動物愛護の活動家たちが、同社にコヨーテのファーの使用をやめさせることは無理そうだ。
それでも、デモなどの抗議活動が、ファーを身に着けることに対して消費者たちに否定的なイメージを与えることになるだろう。そうなれば、高級アウターを好む消費者たちは、ファー以外のものを購入するようになるかもしれない。カナダグースの商品を好む人々も、襟にファーがついていない、より価格の安い防寒着を選ぶようになるかもしれない。