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テックジャーナリスト


ー具体的に注目しているスタートアップはありますか。

ダッシャー : 北カリフォルニア日米協会のアジア・米国技術経営研究センターでは、11年から「日米イノベーションアワード・シンポジウム」を運営、私は同アワード・プログラム運営委員会会長として、日米で先駆的なスタートアップを表彰してきた。今年は、産業及び市場に変革を起こす企業へ贈る「エマージング・リーダー賞」に、米国は「ドロップボックス」、日本は「メルカリ」を選出した。

メルカリはいまや、“ワールド・プロダクト”になりつつある。顕著な成長率、米国での高い認知度を誇る同社への評価はシリコンバレーのベンチャー投資家たちの間でも高い。こうした日本発世界というスタートアップが今後も続いていくことを期待したい。ソラコムやラクスルらの「日本の起業家ランキング」上位企業にはその可能性は十分にあると思う。

それ以外にも、今年は、宇宙ソリューションを提供する「アクセルスペース」、低コスト・消費電力のメモリー開発「フローディア」、人工知能ソリューション「プリファード・ネットワークス」、新世代バイオ素材「スパイバー」、ウエアラブル端末を内蔵したシャツ「ゼノマ」といったスタートアップが、シンポジウムと同時開催した「イノベーション・ショーケース」で成果発表したが、いずれも面白いイノベーティブな事業に取り組んでおり、期待できる。

ー日本のスタートアップ・シーンの課題は。

ダッシャー : “イノベーションの質”をさらに高めるという観点では、大企業とスタートアップがさらに良い関係を構築していく必要がある。

では、どうすればいいかー。それは大企業側が変わるべきというのが私の意見だ。スタートアップとの関係を“アウトソース先”ではなく、将来の戦略に重要な貢献ができる“パートナー”となりうる相手としてしっかりと探すべきだ。そのためには、スタートアップの重要性を理解している人たちを、社内コミュニケーションの“内側”に入れていくことが必要だと思う。


リチャード・ダッシャー◎スタンフォード大学アジア・米国技術経営研究センター所長、同大学特任教授。アントレプレナーシップやイノベーション、先端テクノロジーなどについて研究を行う。

文=土橋克寿

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